トッド・ラングレンズ・ユートピア『Benefit For Moogy Klingman』disc 5

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5枚目は2011年1月公演の映像版です。在りし日のムーギー・クリングマン以下、往年のユートピア初期メンバーが動いて演奏している。それだけでも貴重な映像ですが、ムーギー自身はこれを最後に恐らく映像としては残っていないのではないでしょうか。最後の最後にかつてのメンバーを集めてライブが出来たことはきっとご本人達にとっても至福の時だったのではないかと。

 

当たり前かもしれませんが、ムーギーの演奏はとても素晴らしくて、本当によく弾いています。この10ヶ月後に亡くなってしまうとは思えない非常にエネルギッシュな演奏で、本人も嬉しそうです。キャップを被っているので、きっと抗癌剤の関係で髪の毛が抜けてしまっているんでしょう。若干痛々しいですが、演奏や声からは闘病中の辛さは微塵も感じさせません。

 

結構皆楽譜を見ながら演奏していて、恐らくは久々の演奏なのと、何より曲が難しい。プログレ期の楽曲なので長くて展開も複雑だし、そもそも楽曲自体覚えているのか、といったところも怪しいのかも。それでもライブはきっちりこなしています。プロだから当たり前か。

 

「Just One Victory」でベースのジョン・シーグラーが曲の途中でカシム・サルトンにベースを交代する一幕はびっくりしましたが、演奏上は全くそんなことは想像させないところが凄いです。

 

各メンバーへのライブ直後のインタビュー映像も収録されていますが、契約の関係なのかギャラの関係なのか本人達が話す際には映像がインタビュアーに切り替わってしまう内容になっていて、これはちょっとお粗末ですね。それ以前に字幕がないから内容は理解できないんですが・・。