昨年公開された細野晴臣のドキュメンタリー映画の主題歌が随分と前に配信限定でリリースされていました。最近は配信が軒並みサブスクになってしまってダウンロードの方法がよく分からずに手にできないでいたんですが、今回METAFIVEの新曲と共に無事スマホ経由でダウンロードできました。やはり物理的な物がないとどうしても手が出にくくなってしまいますね。
ということで公開当時に映画も観ましたので主題歌は印象に残っていたんですが、昨今のブギウギ路線の温かい音色と直近の打ち込み志向を反映した、かつトロピカル期のようにマリンバを主旋律に採用した不思議な作品です。でも渋くてカッコいいな。ニューオーリンズ的なフレーズもあったりして、結果的にキャリアを総括したような楽曲に仕上がっています。
カップリングの曲はモナド期の楽曲みたいな、最近でいえば映画音楽で作られるような静かながらも印象的な作品。この辺の「静」と「動」の二面性が、ノンスタンダードとモナドをレーベルとして同時進行させた時のように半ば分裂的に同居している。たった2曲でキャリアを総括するような印象を残すなんて素晴らしいことです。というより受け手の深読みですが。