リップスライム『talkin' cheap』

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98年にリリースされたリップスライムのインディー時代の作品。リップスライムはベスト盤とシングルしか持っていないんですが、一時期本当によく聴いていました。4MCって凄いですよね。

 

最初に出てきた時には「歌うラップ」に衝撃を受けたんですが、これは主にメンバーのPESの個性が表に出たもので、このインディー時代の作品では比較的その側面が前面化しているような印象を受けます。メジャーデビュー後はその個性は1/4になってグループの魅力の一部に隠れた感じですが、そこが実は効いていた。

 

とにかく言葉の選び方、乗せ方が超絶的で、かつ4人の個性も際立っているという稀有なグループだったと思っていますが、メンバーの不祥事で今は活動休止中です。非常に勿体ないですね。

 

本作ではやはりちょっとエコーの処理が気になります。トラックの完成度は高いし、リリックの鋭さも既に内在しているんですが、音処理が少しぼやけている。この辺がメジャーのプロダクションで強度を増すんですね。かつ歌ものの個性が出過ぎていて、メジャーデビュー後の圧倒的な完成度に一歩譲ると思います。まだSUも正式メンバーではない。

 

リップスライムの中古盤は本当に市場で見かけなくて、何かあるなと感じているんですが、諦めずに探してみようと思っています。アルバム単位できちんと聴いてこなかったので、これを機会に掘ってみたいと思います。