ビートルズ『Anthology 2』disc 2

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2枚目は『サージェント・ペパー』から『マジカル・ミステリー・ツアー』にかけての66年、67年辺りの録音物。この辺になってくると原曲のバージョンが頭に入っているので空で聴くことができます。

 

『サージェント・ペパー』は影響力としては大きいですが楽曲の魅力としては今一つのところがあって、ジャケットのアートワークや様々なアレンジ面での実験性を含めてトータルでのインパクトが大きかったためにその後も語り継がれた側面が大きい。初のコンセプト・アルバムとも言われますが、実際はポールが単独牽引していてジョンは左程でもなかった。

 

そんな感じなので自分は『マジカル・ミステリー・ツアー』の楽曲の方が好きなんですが、このアンソロジーではこの時期全般の楽曲の完成形にある構築感から一歩間引いた演奏、すなわちこの時期の楽曲を仮にライブで演奏していたらこうなったかも、というネイキッドな印象を残すバージョンが多く収録されていて、それはそれで非常に趣があります。

 

やっぱりスタジオに籠ってビートルズは別バンドになってしまった。それによって何とも奇妙で人々の耳を鋭くえぐる楽曲を生み出せたのは良かったんですが、バンドとしては終末へまっしぐらとなってしまった。スタジオ作業というのは基本的に個人的なものに最終的にはなってしまうからなんだと思います。