クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ『Brown And Roach Incorporated』

f:id:tyunne:20201108054223j:plain


54年録音の作品。先日聴いたビル・エヴァンスの相棒スコット・ラファロが自動車事故で亡くなってしまったのと同様、クリフォード・ブラウンも同じく自動車事故で亡くなってしまって、マックス・ローチビル・エヴァンス同様、しばらく演奏する気になれなかったそうです。

 

ジャズにはこうしたエピソードが多いですが、事故だけでなく病気やドラッグで亡くなってしまう人もいて、とても不安定な職業なんだなあと実感します。

 

この相棒同士で録音した音源はどれも名作とのことですが、マックス・ローチのドラムが前面に出てくる瞬間も結構あって、そういった意味ではこれまで聴いた中では珍しいタイプの音楽かもしれません。ドラムばっかり目立ってしまうとベースがブリブリいっているタイプの作品と同様、若干の飽きがきてしまうんですが、ここはトランペットと双頭なのでそういった風にはなっていません。緊張感があって良いですね。

 

録音が古めだからか、少し音がモコモコした感じがありますが、54年ってそもそも何年前なんだ、という感じですからここは致し方ない。50歳を超えると50年や100年という期間が妙に身近に感じてきてしまって、100年前とか200年前って大した年月ではないよね、という話をしてしまうことが多くなります。時間感覚がダイナミックな認識になっていくんですね。歳をとるというのも面白いものです。