矢野顕子『GO GIRL』

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90年代の矢野顕子というのはニューヨーク移住後のセッション・ミュージシャンとの作品が中心となっていて、正直余り手が伸びませんでした。しかし2000年にリリースされたライブのベスト盤『TWILIGHT』は以前に入手して聴いていました。確かラジオかなんかで聴いて購入したような記憶があります。

 

最近は旧友と親交を温めているさとがえるコンサートは当時はニューヨークのミュージシャンとの武者修行の旅みたいな演奏で、緊張感があってクールでとても良い感じなんですが、本作でもそうしたクールさは音に表れていて、改めていい音楽、いい演奏は不滅だなあと感じながら聴いています。

 

7曲目の「ひとりぼっちはやめた」がとてもいいんですが、矢野顕子の真骨頂というのはこうした演奏力の高い音に温かいボーカルが乗るギャップにあるんじゃないかと思います。昔はこうした母性のようなものに抵抗があったんですが、矢野顕子の音楽はそれだけじゃない。そこにクールなバッキングが付け足されるところに真髄があるように感じます。

 

世紀を跨ぐ前後の作品をほとんど聴いてこなかったので、やはりここは聴き進めていくしかないですね。今のジャズの耳にも合うように思います。