ジョージ・ハリスン『Early Takes Volume 1』

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以前間違えてベスト盤の方を買ってしまいましたが、欲しかったのはこれ。ラジオ番組で「All Things Must Pass」のデモ・バージョンを聴いてノックアウトされました。デモやアーリー・テイクを集めた作品ですが、とてもいいアルバムです。

 

3枚組の大作『All Things Must Pass』はフィル・スペクターの壮大なアレンジが施されていますが、ここではそういった装飾がなされる前のネイキッドな音が収録されていて、非常に生々しくてライブ感がある。演奏もラフでありながらもとても肉感的で素晴らしい。「こうもあり得た」という聴き方ができる贅沢品です。

 

例えていうなら『HOSONO HOUSE』のような、あるいはジェームス・テイラーの一連の作品のような、スタジオライブをプライベートで覗かせてもらっているかのような、とても温かくてなおかつグッとくる楽曲群となっています。30分くらいのコンパクトな構成ですが、それもまた聴きやすくていいですね。