フランク・ザッパ『Meets The Mothers of Prevention』

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 ザッパ85年リリースの作品。この作品は、当時ロックの歌詞検閲問題で公聴会にザッパが出席した際の議員の発言の音声などをサンプリングした楽曲が中心になっているので、当時もあまり手を伸ばさずにいました。

 

実際にその曲を聴いてみても、英語でのスピーチが中心となっていて、その他全編に渡って発言の断片がコラージュされている。ビートルズの「No.9」やザッパ自身の『ランピー・グレイヴィ』のような感じです。やることは痛快で凄いと思いますが、曲としてはちょっと・・。

 

しかし、今回この作品を手にした理由は別のところにあります。それは「One Man, One Vote」という曲。この曲はザッパがシンクラヴィアで制作した打ち込みによる複雑な楽曲ですが、実はこれをずっと探していた。

 

ザッパをはじめて知ったのはこの作品が発売された当時のFM番組の特集でした。そこで最初にかかったのが『バーント・ウィーニー・サンドウィッチ』の「WPLJ」という曲。そして最後にかかったのがこの「One Man, One Vote」でした。曲名が分からなかったので、その後もどのアルバムに収録されているのか分からずずっと探していたんですが、たまたまYouTubeでこのアルバムの曲を聴いて、やっと判明した次第。長い旅路でした。

 

その「One Man, One Vote」も複雑でスピード感があってカッコいいんですが、その他にもギターソロの楽曲がちゃんと入っていたり、ボーカルものの曲があったりと、悪く言えば散漫、良く言えば多彩な作品となっているので、聴いていて結構気に入りました。やっと聴けて良かった。