シェリー・マン『2-3-4』

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62年の録音。数字は各曲の編成人数を表していて、コールマン・ホーキンスと2人で録音したもの、エディ・コスタを迎えたトリオ編成、そしてカルテットでの演奏、というヴァラエティに富んだ編成の録音を収めています。

 

コールマン・ホーキンスとの再会を演出するための企画が本作の出発点であるとか、この後に交通事故で亡くなってしまうエディ・コスタとの邂逅であるとか、背景のストーリーが目立っている作品ですが、端的にシェリー・マンのドラムスがいいなあ、と感じました。

 

音に余白がある感じがあって、結構楽曲の印象が空間構築的になるように思います。1曲目の「A列車で行こう」なんかはスローなテンポで独特の解釈なんですが、それとは別にベースの音がよく聴こえる。エディ・コスタとの演奏でも、ドラムの音が多彩なんだけれども隙間もあって、とても広がりのある演奏に聴こえてきます。

 

きっと頭の中にあるイメージが多彩で、かつ表現するテクニックを映像的に、空間的に使っているからなんでしょうね。洗練された表現のできるドラマーなんだなあ、と感じました。