94年にリリースされたBBCのライブ音源集。XTCがライブをやめたのが82年ですので、その後の音源があること自体が貴重なんですが、結構ブートレグで既出だったりするので発売当時は余り新鮮味はありませんでした。
とはいえ、89年の『Oranges & Lemons』の頃のライブ音源といえばアコースティック・セットだったので、こうした打ち込みドラムのライブ音源がきちんとした音質で出たことは単純に歓迎すべきことでしたし、その前の84年の『The Big Express』の頃の音源なんかも存在自体が貴重なので、まとめてパッケージされたことはめでたい。なんだかんだ言ってXTCも本国では露出はしていたということですね。
初期の音源、77年や79年のライブ音源はやっぱり勢いがあってバンドらしさがよく出ています。この躍動感が後期 XTCには失われてしまった訳ですが、そこを批判することもできるし活動停止の原因にも挙げることもできます。
しかし、やっぱり大きな要因は作家性とビジネス面の衝突にあったはずで、XTCもそのわかりやすい犠牲者だった、ということなんでしょう。時代が変わればこんなことはなかった、というより減ったはずなので、つくづく不幸だと思います。アンディ・パートリッジにはこれからも頑張って欲しいなあ。