未発表曲集の2枚目。ポップでいい曲が多く収録されています。
本編では暗くて内省的な音が多い印象がありますが、このアウトテイク集はラフなものが多いからか、とても明るい印象を持ちます。
作品として突き詰めていった結果がああした暗いものになっていったということは、バンドの解散やレコード会社との確執など、様々な要因があったんでしょうが、純粋に音楽を楽しんで録音しているこうした作品は自ずとプリミティブな感情が出てしまう。
そうした初期衝動みたいなものがそのまま純粋にパッケージされているので、この作品群は輝いてしまうんでしょう。ジャジーなインスト作品も含めて、非常に愛おしく感じます。ジャズのアプローチも早くから行われていたんだなあ。マルチですね。
デモ音源によくあるようなダラっとした雰囲気が一切なくて、どれも作品化を前提に録音されているような感じがして、やはり一味違う印象を持ちます。これが続々続いているんだから本当に凄い人だったんだなあ、と感心してしまいます。