チック・コリア『Is』

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チック・コリアが亡くなって様々な特集が組まれる中で、大友良英のラジオ番組で紹介された本作からのナンバーが唯一引っかかりました。

 

69年の録音で、当時はマイルス・デイヴィスのバンドに参加している頃。従って、内容的にもエレクトリック・マイルスの混沌とした音作りに似ている面が多々あります。ドラムはジャック・ディジョネット。一時期よくエレクトリック・マイルスは聴いていたので、違和感なく耳に入って来ます。フランク・ザッパの音楽にもちょっと似ているかな。

 

しかし、やっぱりこの独特の音の洪水は一般的にはノイジーだし、発表当時はきっと多くの人の耳には届きにくかったでしょう。もしかしたら今もそうかもしれません。しかしここには混沌の中にもグルーヴがあって、チック・コリアのエレピの音はやはり恍惚感を持って迫ってきます。不思議とこのノイズは嫌悪感を催さない。ドラムの刻みもカッコいいなあ。

 

年末に聴くには少し刺激が強すぎましたが、こんな感じで今年は終わっていきました。