アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ『A Night In Tunisia』


ジャズ・メッセンジャーズ60年録音作品。メンバーは絶頂期のものとなります。

リー・モーガン(tp)

ウェイン・ショーター(ts)

ボビー・ティモンズ(p)

ジミー・メリット(b)

アート・ブレイキー(ds)

 

チュニジアの夜」は有名な曲ですが、何といってもやはりドラム・ソロの決めが随所に入っているのでアート・ブレイキーの面目躍如。このタイトル曲が一番派手ですが、他の曲もいい演奏です。

 

しかし、この60年という時期。59年にはマイルス・デイヴィスは『カインド・オブ・ブルー』を録音しているわけで、時代の変わり目にしては余りにもスタンダード過ぎるきらいがあったのではないでしょうか。今から遡って聴くと普通にリラックスできていい演奏なんですが、それが最新型かというとそういうものではない。ジャズ・メッセンジャーズにそれを求めるのがそもそもお門違いかとは思いますが、どうしても当時の位置付けを考えてしまいます。

 

曲によってはフェード・アウトしてしまうものもあって少し残念な構成ですが、演奏はとてもいいし何よりメンバー各々の楽曲がバランスよく収められているところが当時のグループの奥行きの深さを表していると思います。