ピエール・バルー『Le pollen』


83年にリリースされたピエール・バルーのこの作品は高橋幸宏ムーンライダーズが参加しているということでずっと中古屋で探していました。しばらく前に再発されたんですが、配信とアナログオンリーでの再発でCDがなかったため、ずっと聴かずにいたアルバムです。最近はこうしたケースが増えてきましたね。

 

ということで最近は配信で作品に向き合っているので、こちらの作品もじっくりと聴いてみることにしました。発売当時から存在は知っていたし、クリスマスのオムニバス・アルバム『WE WISH YOU A MERRY CHRISTMAS』でもムーンライダーズがバックを務めた「Ce jour la」という曲があって非常に良かったので、期待して聴きました。

 

聴いた感触はほぼ想像通り。ムーンライダーズの『アマチュア・アカデミー』のような、かしぶち哲郎プロデュースの石川セリのアルバムのような風合いでとてもよろしい。こんな感じの抑えた音の鳴り方、これがこの時代の音だったと思います。いい作品。

 

先ほど触れたクリスマス・アルバムも83年、ピエール・バルーがゲスト・ボーカルで参加した高橋幸宏の『薔薇色の明日』も83年なので、この作品をきっかけに日本のミュージシャンにピエール・バルー旋風が広がっていった、というと大袈裟ですが、本作が起点だったのは間違いない。ということで重要な作品です。表題曲には高橋幸宏の話し声も登場します。合掌。