山下達郎『GO AHEAD!』


78年作品。山下達郎は本作収録の「Bomber」が大阪のディスコでブレイクしたことでやっと売れたと言われています。ずっと最初から売れているようなイメージがありますが、70年代は結構苦労していた。実際に自分も一番最初に山下達郎の音を耳にしたのは「ライド・オン・タイム」からだったと記憶しています。ベストテンとかに入りましたからね。

 

ということで本作はブレイクのきっかけになった作品なんですが、やはり収録曲はどれも良くて、ここで終わらなくて本当に良かったと思います。でも意外だったのは音が結構ファンキーだったこと。

 

山下達郎というとビーチ・ボーイズ、というイメージが強いんですが、実はジェームス・ブラウンのマニアでもあって、全シングルを集めている、みたいな話をよくラジオでしています。実際、ブレイクのきっかけとなった「Bomber」や「Paper Doll」みたいな曲の肉感的なビート、ベースラインのうねりなんかを聴いていると、山下達郎のイメージはグッと変わるのではないでしょうか。ここでもうこんなにファンキーだった。

 

自分の声はシャウト型ではないのでファンクには合わない、従ってポップスの方へ行かざるを得ない、といった話も確かしていたと思いますが、やはり時折好きなものが出てきてしまう。特に初期はこうしたゴリゴリのファンクが演奏されていたという事実を目撃したような感じがします。同居しているんですね。