3枚目からはフルセットのライブを3公演分収録しています。まずはマンチェスターの公演から。
演奏曲目とオリジナル・アルバム収録曲を比較すると、アルバムの方はかなりローウェル・ジョージに寄せた選曲であることが分かります。実際のセットリストはポール・バレアのボーカル曲で始まりますし、ローウェル抜きの「Day at the Dog Races」なんかもきっちり演奏されている。私の好きな「Red Streamliner」も収録されています。
そもそも『Time Loves A Hero』あたりの録音時はローウェル・ジョージのドラッグによる不調はかなり表面化してきていて、他メンバーの活躍が相対的に浮き彫りになっていた時期でした。従ってローウェルの活躍の場が限定されてくるのはやむを得ないんですが、それでも演奏力がしっかりしているので粘っこい音は健在です。
実質ローウェル・ジョージのペンによる楽曲がやはり頭ひとつ抜きん出ているのは事実なので、他の楽曲が薄味になってしまうのは否めないんですが、バンドというものはそういうものでもない。破綻してしまうとやはりつまらない訳です。ローウェルはいてくれるだけで御の字、というところでしょう。スライド・ギターの演奏はやっぱり素晴らしいです。