Original Love Tour 2024 “Game Changer Tour”


およそ30年ぶりにオリジナル・ラブのライブに参加して来ました。以前観た時はまだ郡山にいた頃で、丁度『RAINBOW RACE』が発売された後のツアーだったと思いますが、今オリジナル・ラブは当時のリズム隊(ドラム佐野康夫、ベース小松秀行)が復活しているので、もう一度あの興奮が味わえると思い、久しぶりに参加してきたというところです。

 

演奏はとても良かった。特にドラムは最高ですね。本当に上手い。このリズム隊の復活はしばらく続いていますが、これは本当にオリジナル・ラブに望んでいたことで、最近の作品の出来は非常にクオリティが高い位置にいると思います。しばらくこの熱量が続いてくれることを切に願うばかりです。

 

演奏曲も30周年のライブを引き継いだまま、90年代初頭の楽曲をきっちり選曲してくれていてとても嬉しい内容でした。

 

久々に参加して感じたことは、結構観客側の決め事が多いな、というものでした。田島貴男自身が結構観客を煽るところもあるので、楽曲ごとに所作が決まってる局面が多い。これはやはりオリジナル・ラブのライブが「ソウル・ショウ」だからだと思います。ジェームス・ブラウンのライブで必ずマントを被せる演出があったように、ある意味ベタなこの演出がソウルには不可欠なんだと思います。それにしても1曲目からずっと立ちっぱなしだったのは老体にはしんどかった・・。

 

もう一点、音が大きいのが気になりました。田島貴男の声はとても大きいので、楽曲によってはかなり音が割れてしまっていて、結構ミキシングは大変だったんじゃないでしょうか。アンコールのラストの音の大きさは尋常ではありませんでした。

 

演奏は抜群だし、ファンサービスもバッチリですが、更にここから何を望むか。ポイントは93年リリースのベスト盤『SUNNY SIDE OF ORIGINAL LOVE』にあると思います。このアルバムは、初期の楽曲を当時のメンバーでセルフカバーした楽曲が多く含まれていて、元々良かった楽曲が更に魅力を増した素晴らしい瞬間だったんですが、今のほぼピークと言っていい状態にあるバンドメンバーで過去の楽曲をリアレンジしていくようなことが起これば、これはもう極上の作品が出来上がるような気がします。

 

オリジナル・ラブはある時期から田島貴男のソロ・ユニットとなりましたが、それ以降発表された作品もバンドサウンドによる再解釈でかなり蘇っていくのではないか。一部そうした試みが今回の選曲にもありましたが、もっとよりメロウなもの、例えば「Crazy Love」や「アイリス」のような楽曲がグルーヴを伴ってリアレンジされるとまたもや大変なことになるのではないかと思います。その中からまた「接吻」のようなキラーチューンが生まれてくる可能性だってある。

 

今の編成による音が最高の出来なだけに、次の展開が続いていくと今後益々活動が楽しみになっていくのではないかと思いました。このピーク状態がしばらく続いてくれることを切に願いたいと思います。