スカートの澤部渡さんのラジオ番組「Nice Pop Radio」で特集されていたジョアン・ドナートのこちらは73年リリース作品。番組でかかった楽曲がどれも非常に良かったので、初めてブラジル音楽を手にしました。僅か32分と短い収録時間ではありますが、とても良いアルバムでした。
元々ピアノを演奏する方なので、ここで響いているエレピの音が非常にグルーヴがあっていい演奏です。ミュージシャンシップに溢れる演奏で、どの曲もとてもグッとくる仕上がり。インスト曲も含めてかなりカッコいいですね。
演奏力が確かでグルーヴもあって、という意味ではティン・パン・アレイのミュージシャンによる作品に近い感触を覚えました。例えば鈴木茂の『バンド・ワゴン』を初めて聴いた時のような、何ともいえない高揚感。これがあらゆる作品に共通して漂っているそうなので、他の作品もきちんと聴いてみたくなりました。まだまだ音楽に発見があるなんて、何と嬉しいことか。