2000年リリースのケン・イシイ4作目。第一印象は「音が強い」というものでした。
しばらく前からケン・イシイの作品を遡って聴き始めていますが、そこに期待するものは4つ打ちのリズムと独特の静けさ、透明感にありました。そのバランスの良さが良かったんですが、この世紀の変わり目の音はとても強く響きます。
冒頭の「ICEBLINK」から続く前半の流れはとても良かったんですが、中盤あたりからかなりビートが鋭くなっていくように思います。2000年頃の音というのはこういった感じだったんでしょうか。
石野卓球でいえば『throbbing disco cat』が99年のリリース、砂原良徳の『LOVEBEAT』とコーネリアスの『point』が出るのが2001年、ということで音楽が静かになっていく一歩手前が2000年、というタイミングなのではないかと思います。そういった意味では、まだ時代に強さがあった。世紀が変わる喧騒があった、とも考えられます。そんなことを考えながら聴いていました。