久しぶりにカンの作品を手に取りました。74年リリースの6作目。この前作が『フューチャー・デイズ』ですので、あの静謐な世界に耐えきれずにダモ鈴木が失踪してしまった後の作品となります。
ダモ鈴木がいなくなったらポップさがなくなってしまうのではないかと心配しましたが、カンの作品の場合、楽曲の根底にずっと流れているリズムがあり、その躍動感が聴きやすさを醸し出していることを痛感しました。ヤキ・リーベツァイトの正確なドラムはとても重要です。
聴いていて何となくニュー・オーダーを彷彿とさせましたが、4曲目の「Chain Reaction」なんてほとんどテクノの四つ打ちですので、感覚的にテクノやデジタル寄りに聴こえてくるのは仕方ないと思います。というよりこれが74年の作品なので、何と未来的なことか。
プログレとは一味違う宇宙の音を聴いているかのような音楽。しかもビートが常に刻まれているという古びない音楽だと思います。