ピチカート・ファイヴ

ピチカート・ファイヴ『カップルズ』

87年リリースのピチカート・ファイヴの1st。この頃自分は大学に入学した頃なので、CDプレーヤーを大学生協で購入した記憶があります。きっかけはXTCのCD再発に未発表曲が入っていたからでした。そして、この作品も発売当初は既にアナログが出せないタイミン…

ピチカート・ファイヴ『ウゴウゴ・ルーガのピチカート・ファイヴ』

94年というのはピチカート・ファイヴの活動がほぼピークに達していた時期で、この作品は『ボサ・ノヴァ2001』と『オーヴァードーズ』の間にリリースされています。従って勢いは半端ではありませんが、何より結果的にピチカートの代表作のようになっている「…

ピチカート・ファイヴ『月面軟着陸』

丁度27年前の今日、1990年5月21日に発売になった、初期活動を総括するようなアルバム。ここでの編集スタイルがその後の作品に全面的かつ狂気じみた形で展開していく様を90年代は見せつけられることになるんですが、ここにその萌芽が、というより最早完成形が…

ピチカート・ファイヴ『女王陛下のピチカート・ファイヴ』

『ボサ・ノヴァ2001』あたりからの引用先が多いのにまず驚きました。元々自己引用は多いグループですが、こんな前の作品を引いていたとは。89年リリースですので90年代直前。ここでは既に90年代に知っているピチカート・ファイヴの姿に変容してきています。 …

ピチカート・ファイヴ『ベリッシマ』

実は初期のピチカート・ファイヴはずっと聴かずにいました。最初の体験が『スウィート・ピチカート・ファイヴ』だったから、というのもありますが、ピチカート=野宮真貴だったというのが自分の印象でしたので、田島貴男時代というのがどうしても後追いとし…

ピチカート・ファイヴ『スウィート・ピチカート・ファイヴ』

92年にリリースされたこの作品で自分はピチカート・ファイヴを初体験しました。それまでは細野晴臣のノン・スタンダードからデビューしたということ以外に左程の知識はありませんでしたが、ボーカルに野宮真貴を据えて何か新しいことを始めているらしいとい…

ピチカート・ファイヴ『ボサ・ノヴァ2001』

共同プロデューサーに小山田圭吾を招いたという点に当時は驚きました。まだコーネリアスとして活動を始める前で、しかも当時の若手に身を委ねるという手法はムーンライダーズが98年に『月面讃歌』でも採用しましたが、とても勇気のある選択であったように思…

ピチカート・ファイヴ『ROMANTIQUE '96』

これは比較的好きなアルバムです。『オーヴァードーズ』や『ボサノヴァ2001』には及ばないものの、当時のスピード感を体現していて立て続けに振り込まれる楽曲群の連続技に息つく暇もない程。ただ少し陰りも見えてきたかな。次作以降でそうした影は成熟度と…

ピチカート・ファイヴ『HAPPY END OF THE WORLD』

この作品はリミックスアルバムだと思います。共同プロデューサーに福富幸宏を迎えていることもありますが、当時のシングル曲等がそのままのバージョンで収められることはなく、ほとんどにリミックスが施されている。この辺りがやはり捻くれていますが、これ…

ピチカート・ファイヴ『プレイボーイ・プレイガール』

ピチカート・ファイヴで一番好きなシングルは「メッセージ・ソング」か「恋のルール・新しいルール」なんですが、「ウィークエンド」も捨て難い。このあたりの感じがこのアルバム周辺に集中しています。98年のリリースですね。 細川俊之のシアトリカルなナレ…

ピチカート・ファイヴ『PIZZICATO FIVE』

世紀末の99年にリリースされたラス前作品。90年代後半のピチカート・ファイヴは安定感抜群で楽曲にも深みが出てきていましたのでクオリティは言うことなしですが、特殊パッケージも含めて実は何度も手が伸びにくい、言ってみればマンネリ感が出てきていたの…

ピチカート・ファイヴ『さ・え・らジャポン』

細野晴臣が70年代に提示した海外から見た日本のイメージをフェイクとして演じた音楽を2001年時点の段階で捉え直した特異な最終作。この時点での日本のイメージをポケモンや君が代、はっぴいえんどやスパークスといった材料を使って現代風に料理し、見事なコ…

ピチカート・ファイヴ『オーヴァードーズ』

ピチカート・ファイヴではこれが一番好きです。冒頭の『Airplane』での小山田圭吾のギターから次の『Statue of Liberty』での高木完のラップに至るまでノックアウト寸前のサウンドが響き渡ります。『Happy Sad』も入ってますし。 94年のリリースで前作が『ボ…

PIZZICATO ONE『11のとても悲しい歌』

お盆休みもあと2日。外も涼しくなってきて非常によろしいが、今日みたいに雨模様だと少し寂しくもなってくる。そこで、という訳でもないがやっと聴けた小西康陽の再始動盤。確かにこれは悲しい。 売場で大分探したが、何と「日本のジャズ」のコーナーに置い…

ピチカート・ファイヴの戦略

#本文は1995年7月号に掲載されたものです。 「ピチカートマニアの皆さん、今晩わ。」 彼等のコンサートで小西康陽が最初に放つ台詞である。 ピチカート・ファイヴのトータルなイメージ作りは素晴らしい。メジャーでもマイナーでもないというスタンスの取り…