2020-01-01から1年間の記事一覧

ジョン・コルトレーン『Lush Life』

57年と58年の録音。コルトレーンはタモリに固定観念を植え付けられて以降、積極的に聴く気になれずにいますが、本作もA面のトリオ編成だけの作品だったら恐らく手を出さなかったでしょう。B面にレッド・ガーランドやポール・チェンバースといったかつてのマ…

ナット・アダレイ『That's Nat』

キャノンボール・アダレイの弟、ナット・アダレイの55年録音作品。キャノンボールはマイルスのバンドにも参加していたのでいずれソロを聴こうと思いつつなかなか手が伸びずにいましたが、先に弟の音源が手に入ったのでこちらからまずは聴くことになりました…

ルー・ドナルドソン『Wailing With Lou』

こちらは57年録音の作品。55年との表記もあったりして若干紛らわしいですが、57年のようです。これもラジオで紹介された一枚。 若干牧歌的な感じがする古いタイプのジャズ、という感覚があるのと、ピアノの音が少し煩め。ピアノはハーマン・フォスターという…

エルモ・ホープ『Meditations』

カレンダーを新しくしたので既に気分は2021年。後はもう淡々と日々を過ごしていきます。 エルモ・ホープを聴くのは2作目ですが、こちらは55年の録音。とにかく演奏が軽快で、ピアノの音がコロコロと転がっています。軽やかでかつ勢いがありますね。音質が多…

カーティス・メイフィールド『Heartbeat』

79年リリース。CDショップで買い物をしていた時に店頭でかかっていたものを追加で「これも下さい」と購入しました。その時は忘れていましたが、実は本作はかつて友人からアナログを譲り受けていた。記憶になかったということは、いかに聴いていなかったとい…

マイルス・デイヴィス『ブラックホークのマイルス・デイヴィスVol.1』

今日から連休。今年はいつも以上に何事も起こらない静かな年末年始になりそうですが、そもそもが引き篭って過ごさざるを得なかった不思議な一年でした。そしてこの後もしばらく続きそう、ということで世界は変わってしまった。これからはクワイエット・ライ…

リー・モーガン『City Lights』

明日がやっと冬至。これを境にまた陽が伸びていくのが楽しみです。この暗さがピークなんだな。 さてリー・モーガンですが、これはジャズを指南してくれた先輩から借りた作品に続いて2作目になります。やはりフィジカルに手元にないとどうしても聴く機会が減…

ハンプトン・ホーズ『The Trio Vol.3』

2020年はジャズが沢山聴けた年でした。マイルス・デイヴィスに出会って聴き始めた1990年以来、30年かかってようやく様々なジャズの作品を聴き進めていくことができた。これもひとえにラジオ番組のおかげです。 こちらは56年録音の作品。ピアノ・トリオといっ…

ナッズ『Nazz』

遂に手にしたナッズの1st。68年リリースのトッド・ラングレンの原点です。この作品に既に後の代表曲「Open My Eyes」と「Hello It's Me」が収録されているというのは驚くべき事実ですが、荒削りながら音作りやコーラスの美しさ、といった要素は既にこの時点…

マーティン・デニー『Quiet Village』

言わずと知れたトロピカル音楽。YMOがカバーした「ファイアークラッカー」が収録されているアルバムです。59年のリリース。星野源のバンド名の由来でもある「サケ・ロック」も収録されていますね。 マーティン・デニーも初めてまともに聴きましたが、細野晴…

トム・ミッシュ『Geography』

トム・ミッシュの名前は星野源の番組で知りましたが、最近その番組に一緒に出ている松重豊の音楽マニアぶりに驚いて今ではラジオの番組をチェックするようにまでなっています。 そもそもビートメイキングなる活動が存在すること自体知りませんでした。しかし…

MAGIC, DRUMS & LOVE『HURRICANE UPSETTER』

しばらく前からradikoのエリアフリーを利用し始めて全国のラジオ番組を聴けるようになりましたが、その中でも一番番組的に充実したプログラムを抱えているのは京都のαステーションという放送局で、関東のインターFMやFMヨコハマのような素晴らしい存在だと思…

レッド・ガーランド『Red Garland's Piano』

こちらは56年から57年の録音による作品。バラードとスウィングが交互に収録されているような構成ですが、やはりテンポのいい楽曲の方が楽しく聴けますね。 マイルスの『リラクシン』にも収録されている「If I Were A Bell」が本作にも収録されていますが、こ…

レッド・ガーランド『Manteca』

2020年はジャズに目覚めた年でしたが、その扉を開いてくれたのはレッド・ガーランドでした。本作は58年の録音です。相変わらずピアノの音がコロコロと転がっています。 かつてジェームス・ブラウンは全ての楽器はドラムだというような発言をしていましたが、…

フェネスサカモト『flumina』disc 2

10年ごとに色々なことがあって、01年のテロから2011年の震災、そして今年はコロナで1年が終わってしまう訳ですが、2011年の場合は物理的に地面が揺れて電車に乗っていても非常に怖かったのでまだリアリティがありました。 加えて強烈な災害とその後の放射能…

フェネスサカモト『flumina』disc 1

2011年の震災の時に自分が何をしていたかというと、関西の得意先の拠点でその瞬間を目撃していて、ほとんど貧乏ゆすりくらいにしか揺れなかった地震とテレビを通して見た映像の衝撃とのギャップや家族の安否確認といった記憶が蘇ってきます。 この作品は2011…

Lamp『彼女の時計』

2018年リリースの作品。今のところこれが最新作かな。作品ごとのインターバルが長い。寡作な人達なんですね。 音的には70年代から80年代に一歩時代を進めたような感じ。昨今のシティポップとしては一十三十一の『City Dive』以降エレポップに移行しつつある…

Lamp『ゆめ』

2014年の作品。これは傑作だな。 YouTubeで聴いていた際にも一番耳に引っかかっていた作品でしたが、目眩く名曲、名アレンジの嵐にアドレナリンが出てきてしまいます。恍惚感、浮遊感、こうした作品にはなかなか出会えない。 ブラスとストリングスのアレンジ…

Lamp『東京ユウトピア通信』

続いて2011年リリースの作品ですが、こちらは音が明るい印象を受けました。ラテンのリズムも登場していたりしていて、突き抜けた感じが音に表れています。 発売時期を見ると震災前ですので、もしかしたらその辺りも影響があるのかもしれません。少し楽天的な…

Lamp『八月の詩情』

Lampの固め聴きにいきたいと思います。こちらは2010年にリリースされたミニアルバム。先日聴いた『木洩陽通りにて』から5年経っているわけですが、益々良くなっている感じがしますね。 とにかく自分のやりたいことをクオリティを突き詰めて淡々とやる。職人…

クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ『Brown And Roach Incorporated』

54年録音の作品。先日聴いたビル・エヴァンスの相棒スコット・ラファロが自動車事故で亡くなってしまったのと同様、クリフォード・ブラウンも同じく自動車事故で亡くなってしまって、マックス・ローチもビル・エヴァンス同様、しばらく演奏する気になれなか…

細野晴臣『オムニ・サイトシーイング』

89年リリースの作品が再発されました。今回も砂原良徳のリマスターです。ここが大きい。 この作品は非常に様々な要素が詰まったアルバムで、最初は「江差追分」から始まってアラブ音楽やアンビエントの要素なども散らつかせつつ名曲の「プリオシーヌ」で終わ…

ケニー・ドーハム『'Round About Midnight At The Cafe Bohemia』

最近radikoをエリアフリーで聴くようになって全国のラジオ番組が聴取可能になったんですが、本作は福岡のジャズ番組で紹介されていた一枚です。 録音は56年。ケニー・ドーハムは以前に1枚『静かなるケニー』を聴きましたが、それに続いての2枚目。邦題では『…

Lamp『木洩陽通りにて』

ずっと気になっていたLampというバンドの作品を初めて聴きました。これは05年リリースの3rdですが最高ですね。何故今まで聴かなかったんだろう、と後悔する系統の音楽です。 元々はキリンジ が好きな人が聴いている音楽だということで、もう随分前から名前は…

トッド・ラングレン『A Wizard A True Star... LIVE!』

ムーンライダーズの配信ライブの次はトッド・ラングレンのライブです。09年に行われた4thアルバム『A Wizard A True Star』の全曲再現ライブの映像と音声を2枚組にした作品。もうずいぶん前のライブになりますが、確か当時はWebで有料配信していたはず。こう…

ムーンライダーズ LIVE 2020

まさかあるとは思っていなかったムーンライダーズの復活ライブ。先日行われた『カメラ=万年筆』のリリース40周年記念ライブに続き、今回は中野サンプラザでの公演です。コロナ 禍を考慮して配信で楽しませて頂きました。 家でメモを取りながら観れるので、…

ビル・エヴァンス『Sunday At The Village Vanguard』

いやあ、それにしてもビル・エヴァンスはどれを聴いてもいいですね。こういった全作品正解のアーティストというのはたまにお目にかかりますが、今回も遅ればせながら発見させて頂いたという感じがします。僭越ながら。 こちらはヴィレッジ・ヴァンガードのラ…

ビル・エヴァンス『Waltz for Debby』

61年のヴィレッジ・ヴァンガードでのライブ録音を収めた本作はとても有名で、ジャケットは様々な機会に目にしていましたが、なるほどこれは素晴らしい。ライブ録音というのもありますが、音がとっても生々しくて臨場感がありました。 ジャズのライブ盤という…

ビル・エヴァンス『Portrait In Jazz』

ここ最近ずっとビル・エヴァンスを聴いていて気づいたことは、結構これは複雑な音楽だな、ということです。 ビル・エヴァンスのピアノの音はかなり縦横無尽に動くので、例えば本作に収録されている「枯葉」みたいな比較的有名な曲でも、原型がわからないくら…

ビル・エヴァンス『Explorations』

ここからビル・エヴァンスの固め聴きにいきます。まずは61年録音の本作から。 ビル・エヴァンスは先日初めてまともに作品を聴いた後にYou Tubeでいくつかの動画を観ていましたが、どの時期の演奏も本当に良くて、早く作品を聴きたいと思っていました。感情に…