坂本龍一
坂本龍一が昨年行った無観客ライブの音源がリリースされました。週末はCDで音楽に向き合うことにしているので、こちらも物理的なメディアで聴いています。 昨今ビル・エヴァンスを聴き進めるにつけ、坂本龍一の源流があるよなあ、などと考えながら聴いていま…
2枚目。音質の改善は今後聴き返す機会を増やしてくれそうです。前回との違いはボーナストラックでアムステルダムの音源が入っていることですが、こちらの音質も言われるほど悪くはありません。とにかく前回が粗悪だった、ということでしょう。 ジャパンの場…
10年ごとに色々なことがあって、01年のテロから2011年の震災、そして今年はコロナで1年が終わってしまう訳ですが、2011年の場合は物理的に地面が揺れて電車に乗っていても非常に怖かったのでまだリアリティがありました。 加えて強烈な災害とその後の放射能…
2011年の震災の時に自分が何をしていたかというと、関西の得意先の拠点でその瞬間を目撃していて、ほとんど貧乏ゆすりくらいにしか揺れなかった地震とテレビを通して見た映像の衝撃とのギャップや家族の安否確認といった記憶が蘇ってきます。 この作品は2011…
00年代の坂本龍一というのは、03年に『キャズム』、09年に『out of noise』をリリースした他はオリジナル・アルバムとしては目立った活動がなかったような印象があるんですが、実は復活YMOに参加していたり、こういったコラボ作品を多数リリースしていたり、…
後半は多彩なゲストが登場します。まずは解散コンサートの際にゲスト・ギタリストとしてツアーに同行した土屋昌巳。そしてデヴィッド・シルヴィアンと坂本龍一の共作シングル曲「Bamboo Music」を演奏する際には坂本龍一と矢野顕子。更に坂本龍一提供曲の「T…
先日何気なく以前のワールドハピネスの映像を観ていたらフェネスサカモトの音が流れてきて、意外といいなあ、と思って探してみた一枚。坂本龍一とクリスチャン・フェネスのユニットによる07年の作品です。 坂本龍一のこうしたコラボ作品は大抵環境音楽的なも…
売れ線を狙った『Sweet Revenge』が不調に終わり、その後のCM曲「Energy Flow」で予期せぬ大ヒットを飛ばす90年代の坂本龍一にとって、このツアーの記憶は決して良いものではないでしょう。 実際に自分もこの時期は坂本龍一の活動に興味をなくしていた頃でも…
坂本龍一のベスト盤で唯一手を出していなかったのがこの映画音楽集です。映画音楽にはどうしても抵抗があって、本来の音楽作品というより映画作品の添え物のような印象が拭えずにいたのが主因ですが、ここ最近の坂本龍一のピアノ演奏による過去作品の再解釈…
年明けのビールのCMで露出が高まっている坂本龍一の99年に出た本作はずっと聴かずに来た作品でした。まず当時「Back To The Basic」というコンセプトが気に入らなかったし、その後CM曲で「Energy Flow」が大ヒットしたことにも違和感があった。何故今ここで…
昨日はずっと観ようと思っていた坂本龍一のドキュメンタリー映画を有楽町まで出向いて観て来ました。帰り道に寄った中古屋で見つけた再発タイトルとたまたま同じ題名ですので、ダブルミーニングで双方をレビューしてみたいと思います。 映画の方は平日昼間と…
96年リリースの本作がデビュー作のようです。こちらは昨日聴いた3作目に比べて初々しくて弾けてますね。坂本龍一の音もまるで『スウィート・リヴェンジ』の頃のようで、ポップで聴きやすくて品がいい。とても良いアルバムですね、これも。 2曲目の「STRANGE …
坂本龍一プロデュース作品をリリースしていることは知っていましたが、ずっとスルーしてきていて、しばらく前から中古を探していたところでした。つい先日たまたま見つけたので聞いてみましたが、なかなか良い作品ですね。こちらは99年リリースで、3部作の最…
どちらも85年にリリースされているシングル曲ですが、アナログでしか持ってなかったのでたまにターンテーブルに乗せて聴くことはありましたが基本的にはその程度でした。そうしたら先日まとめて坂本龍一関連の中古が出ていた際に見つけたのが2in1のCDでした…
同時発売されたアーカイヴ集第3弾は80年から84年までの5年間での未発表曲集です。ここではやはりB2-Unitsでしょうか。当時FMで放送されたものをエアチェックして繰り返し聴いたものです。 発足の理由がフィジカルな演奏を行うバンドをやることだったという…
音楽というより「音」。 前作『Out of Noise』から8年の歳月を隔ててリリースされた坂本龍一の新作は震災を挟んでの作品となりました。それでも前作で示された方向性からの継続性は保たれています。それが良いのか悪いのか。少なくとも詩人や俳人のような音…
『左うでの夢』に続いて『音楽図鑑』もリマスター盤が発売されました。しかもアウトテイク集との2枚組。制作に長い時間をかけたこともあり、発売時の情報では少なくとも30曲以上の中から厳選した楽曲が納められた、との話もありましたので、こうした形で未発…
今回の再発は、ボーカルレスのバージョンが別ディスクでついてくる優れものです。マスターが違うということで、単純にカラオケバージョンが音質が良くなっているものとばかり思っていましたが、曲によってはこれは別ミックスですね。 一番驚いたのは「Relach…
リマスター再発された坂本龍一の3rd。実は一番好きかもしれません。代表作としては『音楽図鑑』になるでしょうし、こちらも3月に再発されるようですが、本作のくすんだポップ感覚がどうしても耳から離れません。発売されたのが81年で『BGM』と『テクノデリッ…
02年にリリースされたベスト盤は3組ありましたが、その初回盤の応募券を送るともらえた非売品ディスクがあったそうで、それが本作となります。存在すら知りませんでしたが、中古屋にサクッとあったので少し躊躇した挙句に手にとりました。非常に興味深い内容…
遂にシーズン4も最終回となりました。収録中に浅田彰が倒れた、というニュースもありましたが、ほとんどその素振りを感じさせない内容。収録はやり切ってその後検査入院したそうです。壮絶だなあ。 意外とあっさりと終わってしまいましたが、最期は戦後の現…
20世紀の音楽。今回はストラヴィンスキーとバルトークでした。最後にラヴェルも出てきますが、基本的に脱西欧で規範をロシアや東欧、そしてアメリカに求めていった過程を辿った内容でした。 ほとんどクラッシックを聴かないので馴染みがないですが、バルトー…
先日放送された細野晴臣と坂本龍一のコンサートの源流は青葉市子にあるのではないかと思い、昨年買いそびれていたNHK-FMニューイヤー・スペシャルでのスタジオライブを手にしました。予測は半分当たって半分外れた感じです。 メンバーは細野晴臣、坂本龍一の…
中心がないからカオス。なるほど、等価とはそういうことか。 今回から始まった最終シリーズ。20世紀の音楽編は非常に難しいです。最初一回観ただけでは何のことかよく分かりませんでした。しかし、シェーンベルクの無調音楽、十二音技法の背景を注意深く聞い…
日本の伝統音楽も今回が最後となります。今回は三味線と語りの話でした。 人形浄瑠璃や義太夫節といった音楽に話が及びますが、三味線の演奏者の方が対談中におもむろにチューニングを始めて歌い出すところが意外とカッコよかった。その上でテンポやコードを…
能の基本は言葉か・・。 今回は能・狂言における言葉と音楽、というテーマの内容でした。自分はすっかり能の基本はリズムなのかと思っていましたが、どうやら違うようです。基本は謡であって、演奏者も皆それを覚えて舞台に上がる。その言葉をベースにリズム…
「拍に気をぶつける」。なるほど、面白いことを言いますね。 今回は能と狂言がテーマでしたが、以前書いたように能には触れる機会が多少なりともあったので何となく親しみがありました。でもよく考えるとこれは結構異質な音楽で、とても奇妙な構成で成り立っ…
2回目は雅楽でした。これはいくつか発見があった。 まず琵琶ですね。単純にバチを振り下ろす高さによって音の高低が変化するという事実。またシルクロードを通って西に伝わったのがギターで東に伝わったのが琵琶だという話。このあたりはなるほどと思わされ…
続いてのテーマは日本の伝統音楽。母親が能をやっていたので、子供の頃は何かというと家に笛の音が響き渡っていたりする環境で過ごしました。独特なリズム感と音程のない音楽。そこに魅力を見出すには至りませんでしたが、「日本の音楽」というものが演歌み…
電子音楽編最終回は物議を醸しそうですね。議論の方向性をメタレベルに振った形で終了しました。果たしてこの方向性で良かったのか。 テーマとして「メディア」が提示され、録音技術についての方向に議論が展開されます。それそのものは非常に興味深い話でし…