2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧
非常に楽曲が粒揃いな93年作。ここ最近聴き返す機会が多くて、その魅力に今更ながら気付かされています。 何といってもポール・キャラックの復活とアトラクションズのピート・トーマスの参加、という点が話題性を上げていますが、やはり魅力は楽曲。冒頭から…
90年代に入って一発目のこのアルバムは聴けば聴く程味が出てくる作品です。最初に聴いた時はほとんど印象に残らない地味なものでしたが、やはり傑作『Frank』の後だけあって、成熟度が半端ではない。2曲目の「Crying In My Sleep」なんかは名曲でしょう。ポ…
スクイーズの全米での出世作。当時アナログではこのアルバムと『アージーバージー』だけは持っていました。 何といっても冒頭の「Hourglass」がMTVで沢山流れたこともあって、一般的にスクイーズが知られるようになったきっかけを作った作品なんですが、その…
スクイーズというバンドは時代とはリンクしない側面をもつ独特の存在だと思います。汎用的なメロディの良さ、カテゴライズしにくい時代を超えたポップな佇まい、時代の先端といった要素とは無縁なエヴァーグリーンな存在感、といった魅力を有していて、バン…
95年にシングルのみで発売されたこの作品もミッシングリンクでした。『Life』の頃の絶頂期のキラキラした感じが全面に出ていて美しい。当時、アルバムに収録されないことが想像できなかったので手を出さずにいましたが、その後シングルのみのリリースがこん…
こちらもApple Musicで聴いて気になっていた作品です。先日WOWOWでもバカラックのライブが放送されていましたが、高橋幸宏がバカラックを大好きなので一応チェックしてみたらこれがやはり良かった。コステロとバカラックが共演したこのアルバムもいいに違い…
最近はApple Musicでミッシングリンクを補完して試聴をすることが多いんですが、いくつかのアルバムで引っかかっていたものを中古で入手しました。ブラーの復活作はずっと気になってはいたんですが、1曲目の「Lonesome Street」が余りにもポップだったので、…
前期スクイーズのラストを飾る82年作。ここから陰影が加わります。 度重なるツアーに疲れてここで一旦バンドは解散する訳ですが、本作に見られるどこか愁いを帯びたような成熟は、その後のスクイーズに重要な要素として格納されていきます。初期の勢いのある…
81年リリースのスクイーズ4作目。プロデュースはエルヴィス・コステロとデイヴ・エドモンズです。加えてニック・ロウとポール・マッカートニーにも依頼して2枚組にするという計画もあったそうで、この面子からしてもおおよそ検討がつきそうな内容。かと思い…
スクイーズの80年リリース3rd。ここからやっとらしくなってきます。シングルカットされた「Another Nail In My Heart」はラジオでピーター・バラカンがよくかけるんですが、かくいう自分もこの曲を耳にしてこのアルバムを買いに走りました。アナログで持って…
79年リリースの2nd。まだ初期といった感じですが、ここからスクイーズらしさが表現されていきます。 シングル曲の「Up The Junction」なんかはいい曲ですが、全体的にはバラツキもあって決め手に欠けるきらいがある。ただここには後のスクイーズに展開される…
スクイーズというバンドはマッドネスと共に英国の国民的バンドと言われることが多いんですが、日本では本当にファンが少なくて知名度の割に聴かれることが少ない。XTC程の捻りも少ないので、分かりやすさが逆に存在を消してしまっているところがあります。 7…
72年リリースの1st。1stはどのアーティストもそれまでの活動の集大成になるので力作が多いと言われますが、かくいうスティーリー・ダンも例外ではなく、非常に充実した作品に仕上がっています。ジャケットにびっくりして遡って聴く人には一瞬のたじろぎを与…
今月43年ぶりに新作を発表するエミット・ローズのベスト盤を見つけました。今度モンキーズも20年ぶりに新作を出してアンディ・パートリッジが曲を提供しているそうですが、それにしたって43年ぶりというのは何ということか。現役時代はほとんど評価されなか…
キャリアの中でも狭間にあたる73年リリースのこの2ndは4thの『うそつきケイティ』と共にどうしても印象が地味になりがちですが、何といっても傑作の1stと3rdの間にある作品なので悪いはずがありません。楽曲に馴染みがないのは単純に自分が聴く機会が少なか…
本作と『エクスタシー』は狭間の作品なのでどうしても存在感が薄いんですが、75年リリースの本作から本格的にセッションミュージシャンを起用し出したという意味では記念すべき作品です。楽曲のクオリティは次作の『幻想の摩天楼』に譲りますが、充分にいい…
ジャケットで大分損していると思いますが、実は一番好きかもしれない76年リリースのアルバムです。 ここから腕利きのセッション・ミュージシャンを曲毎に、パート毎に起用するスタイルが本格化しました。次作の『彩』や『ガウチョ』で花開くその手法は既にこ…
名盤の名を恣にしている77年リリース作。結局はタイトル曲のスティーヴ・ガッドのドラムに尽きるような気がします。 次作『ガウチョ』程の張りつめた感じもなく、複雑でありかつ自然な旋律がじっくりと体を裂いていきます。音楽というものは一時の安らぎを与…
97年という年は小沢健二にとって転機になった年でした。ここで発売されたシングルはその後決して作品としてまとめられることはなく、次作『Eclectic』まで4年の歳月を要することになります。バブルのようにブレイクした90年代の終りを告げる年が97年だった。…
ハイ・ラマズ5年ぶりの新作。先行して演劇が公演され、そのサウンドトラックとして出されたもののようです。今時変わった趣向だなあ。たった27分しかないのにまずはびっくり。 優しい音が鳴っているのは相変わらず。この温かさといったら・・。しかしこれも…
2012年に行われたメトロトロンレコードの設立25周年ライブが3年の時を経て発売されました。正直高くて見送ろうと思っていましたが、カーネーションやグランドファーザーズ等、その後もずっと聴き続けているアーティストのライブが収録されている、かつ決め手…
80年リリース。最初に聴いた時の「バビロン・シスターズ」の緊張感は忘れられません。冒頭のこの曲の張りつめたような空気がこのアルバム、ひいては活動休止前のスティーリー・ダンを象徴していて、最早ユニットとして究極、裏を返せば限界を示していたと思…
2000年リリースのスティーリー・ダン復活作。ウォルター・ベッカーがソロ作を出したり、ドナルド・フェイゲンのソロにウォルター・ベッカーが参加したしたりと前兆はあったものの、まさか復活するとは思っていなかったので、当時驚いて手にとりました。 パー…
恐ろしく老成したデビューアルバム。無敵のオープニング「塀の上で」を初めて聴いたのはムーンライダーズの10周年コンサートの映像でした。「この曲は一体何だ」と遡っていったら前身バンドに行き着いた。これがスタート地点だったなんて何てことだろう。 は…
76年という年は細野晴臣のトロピカル三部作の真っ最中で、かつ矢野顕子の1st『ジャパニーズ・ガール』やあがた森魚の『日本少年』といった重要作品がリリースされた時期にあたります。本作はそういった背景の元、『トロピカル・ダンディー』に端を発した無国…