スクイーズ『Argybargy』

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スクイーズの80年リリース3rd。ここからやっとらしくなってきます。シングルカットされた「Another Nail In My Heart」はラジオでピーター・バラカンがよくかけるんですが、かくいう自分もこの曲を耳にしてこのアルバムを買いに走りました。アナログで持っていた数少ないスクイーズのアルバムでもあります。

スクイーズは「Hourglass」でアメリカでもブレイクしたのでMVをよく目にしました。その頃名前を知って遡ったのがこの作品で、若干冗長な部分を残しながらも独特な勢いで迫って来たのを思い出します。

「Wrong Side of The Moon」なんかもいい曲で、こうしたスポット的に佳曲が存在する印象は今聴いても変わりません。スクイーズというバンドはグレン・ティルブルックとクリス・ディフォードの双頭バンドですが、ビートルズXTCがダブルボーカルで声を二重に録音して音を創っていくのに対して、スクイーズの場合はこの二人の高音と低音でダブルボーカルにして音を創る傾向があり、いくつかの曲で不思議な雰囲気を醸し出しています。さりげないけど特徴的ですね。

キーボードのジュールス・ホランドがこのアルバムを最後に脱退しますが、今となっては音楽番組の司会として一部にはすっかりお馴染みになった人となります。この後がポール・キャラックですので、次々と変わるキーボーディストが非常に粒揃いなのもスクイーズの特徴的なところです。長くやっていると出身メンバーが多彩になっていってまるで学校のようになっていく。規模は違いますがまるでヤードバーズのようでもあります。