2023-01-01から1年間の記事一覧

石野卓球『TITLE#2+#3』disc 2

考えてみれば本作がリリースされた2004年という年には既にスケッチ・ショウは始動していた訳で、グリッジ・ノイズによるエレクトロニカが全盛の時代だったはず。実際、坂本龍一も同年に『Chasm』をリリースしています。 その年に出たアルバムにしては一切そ…

石野卓球『TITLE#2+#3』disc 1

前作の『TITLE#1』から僅か1ヶ月後の04年4月にリリースされている石野卓球の2枚組作品。この一連の作品は求道者の極北を見るような気がして手が伸びずにいましたが、意外とそこまでシリアスではありませんでした。 七尾旅人がゲストで参加していたりして、ご…

マイルス・デイヴィス『E.S.P.』

65年録音。ウェイン・ショーターが満を持して参加した初の録音作です。大友良英のラジオ番組で「Agitation」を聴いたのはトニー・ウィリアムスの特集だったかな。この辺りのマイルスは未聴のものが多いので、徐々に聴き進めていきたいと思っています。パーソ…

ムーンライダーズ『アンコールLIVE マニア・マニエラ+青空百景』

2022年に行われた『マニア・マニエラ』と『青空百景』の全曲再現ライブの映像がリリースされました。昨日観に行った『80年代のムーンライダーズvol.1』の会場で購入。内容の関連性が見出せる内容となっています。 過去作品の全曲再現ライブが海外で行われる…

ムーンライダーズ『80年代のムーンライダーズ vol.1』

ムーンライダーズのコンサートは何故か年末に観ることが多い。今回も年の瀬に六本木のEX THEATERで『80年代のムーンライダーズ vol.1』と銘打ったライブを観てきました。 vol.1ということはvol.2もあるのか?はたまた70年代、90年代もあるのか、等々、様々な…

小池玉緒『TAMAO Complete Yen Years』

40年の時を超えてやって来た小池玉緒の作品集。YMO参加曲の「鏡の中の十月」は耳にしたことはありましたし、細野晴臣のシングル『三国志』のB面に収録されていた楽曲でボーカルを取っていたので何となく知ってはいましたが、結構音源が沢山あるのに驚きまし…

Lamp『一夜のペーソス』

Lampの新作が配信限定でリリースされていたことを不覚ながらミュージック・マガジンのレビューで知りました。アナウンスもほとんどなかったので全くノーケアでしたがこれはびっくり、何と20曲の大ボリューム。ひっそりとリリースする代物ではない。 5年ぶり…

レッド・ガーランド『Can't See For Lookin'』

58年録音作品。乗っていた頃のレッド・ガーランドのピアノはよく転がっていて小気味いいですね。録音メンバーは下記の通りです。 レッド・ガーランド(p) ポール・チェンバース(b) アート・テイラー(ds) 4曲しか収録されていなくて収録時間も35分と短めですが…

パトゥ『Patto』

XTCのアンディ・パートリッジが「XTCに影響を与えた100枚」としてセレクトしていた中にパトゥの1stと2ndがありました。印象的なジャケットだったので知ってはいましたし、オリー・ハルソールの名前はそこかしこで目にしていたのでずっと気になってはいたんで…

大滝詠一『EACH TIME』

この度40周年記念盤がリリースされることになった大滝詠一のラスト・アルバム。こちらはそのニュースを聞く前に30周年記念盤を手にしました。 ずっと『EACH TIME』は聴いてきませんでした。それが何故かは判然としないんですが、何となく『ロング・バケイシ…

ビル・エヴァンス『From Left To Right』

ビル・エヴァンスが初めてエレピに取り組んだ作品。当時聴いた人はさぞかし驚いたことでしょうし、「ビル・エヴァンスがエレピ?」となるのも何となく分かるような気がします。ただ、聴いた印象はそれ程違和感がありませんでした。 エレピ一本で行く訳ではな…

ワンダーミンツ『Mind If We Make Love To You』

サブスクにないアーティスト、ワンダーミンツの03年リリース4作目。これは捨て曲なしの傑作でした。こんなにいいとは。 ワンダーミンツというとどうしてもブライアン・ウィルソンの復活を助けたビーチボーイズ直系のバンド、というイメージが強いんですが、…

カーネーション『Carousel Circle』Blu-ray

初回限定盤付属のブルーレイ・ディスクには2つのライブ映像が入っていて、MVも合わせると何と収録時間は229分。これは凄まじくお得です。 映像はひとつ目が2012年に行われた『天国と地獄』発売20周年の再現ライブ。これ、素晴らしい演奏ですね。全曲演奏して…

カーネーション『Carousel Circle』

今年結成40周年を迎えるカーネーションの19枚目の新作がリリースされました。 カーネーションは2016年の『Multimodal Sentiment』以降、キャリア何度目かの好調を維持していますが、今回の新作もその好調ぶりは持続しています。 何となく段々と一時期のXTCの…

スチャダラパー『偶然のアルバム』

96年リリースの6作目。この作品は何故か持っていませんでした。当時何度も迷って結局手にしなかったんですが、その理由はスチャダラパーがシリアスになって来たことが原因です。 何故か次作の『fun-key LP』は持っているんですが、そこでのシリアスさはちょ…

シャイ・ライツ『Toby』

74年リリースのシャイ・ライツ7作目。ソウル系の再発は音が今ひとつなものが多いんですが、この作品も2013年の再発の割には左右の分離や音の奥行きがイマイチで、何となく雑な仕事をされてしまったような気がしてなりません。 元の音がそんなもんかもしれな…

大貫妙子『Taeko Onuki Concert 2022』

配信でリリースされていた大貫妙子の2022年のコンサート音源がパッケージでもリリースされました。とても良い内容だったのでCDの方も手にしてしまった。萩原健太のラジオで認知したのも大きいですね。 改めてとても良い内容ですが、昨今の大貫妙子といい、晩…

アニタ・オデイ『This Is Anita』

55年録音作品。アニタ・オデイは『真夏の夜のジャズ』で衝撃を受けて以来、いつかきちんと聴かねばと思ってはや何十年、といった感じなんですが、ジャズ初心者の自分としては、やはりボーカルものが余り響いてこないことをジワジワと痛感しています。 本作が…

ハービー・ハンコック『Sunlight』

78年作品。ハービー・ハンコックのこの作品もずっとチェックしたまま放置していましたが、聴いてみて分かったのは78年という年の特殊性です。 何でもかんでも結びつけるのもどうかとは思いますが、78年はYMOの1stが出た年で、1stはまだフュージョンの残り香…

山下達郎『RARITIES』

山下達郎のB面集、裏ベスト盤を入手しました。ビートルズでいえば『Past Masters』のようなものでしょうか。シングルのカップリング曲が中心の内容ですが、どれも手を抜いていなくていいですね。 冒頭の「BLOW」なんかがサンデー・ソングブックで「皆さんお…

ポール・サイモン『Live Rhymin'』

たまにポール・サイモンの音楽が耳に引っかかることがあって、何度かは作品を手にしているんですが、この74年のライブ・アルバムがそうだったのか、あるいは後年のニューヨークのコンサートがそうだったのかが判然としない状態でこの作品を聴いています。そ…

サー・チャールス・トンプソン『Sir Charles Thompson Sextet』

久々にまた配信に戻って来ました。こちらもラジオで聴いてチェックしていた53年録音の作品。ちょっと音が古いですがスウィングしていていいですね。 ジャズについては年代が古くなるとビッグバンドの様相を呈してくる感があるんですが、こちらもそうした趣を…

ムーンライダーズ『moonriders FUN HOUSE YEARS』disc 6『Unreleased Live Movies』

最後はライブ映像です。盛り沢山ですね。年末に開催される「80年代のムーンライダーズ」というコンサートのチケットが当選しましたので、久々にまたムーンライダーズのライブが観れそうです。 前半は『B.Y.G. HIGH SCHOOL B1』の頃のライブで、ここでは何と…

ムーンライダーズ『moonriders FUN HOUSE YEARS』disc 5『Home Demo and Rare Tracks』

5枚目はデモトラック集。これは結構面白い。 ムーンライダーズはメンバーが6人もいるので、あるテーマを与えられるとコンペで曲を持ち寄ることができるバンドです。この辺りの民主主義的な手法がとても微笑ましいし、層を厚くしている。ご自身の曲が採用され…

ムーンライダーズ『moonriders FUN HOUSE YEARS』disc 4『Assorted Single Tracks』

4枚目はシングルとなった音源を集めたもの。この時期は結構タイアップもやっていて、何とかしてムーンライダーズを売ろう、と試行錯誤していた時期でもありました。それにしたって出てきた音が「海の家」だったりするので、これはやっぱり売れないよなあ・・…

ムーンライダーズ『moonriders FUN HOUSE YEARS』disc 3『Bizarre Music For You』

96年リリースの20周年記念アルバムで、文句なしの傑作。ほとんど捨て曲なしですが、9曲目の「オー何テユー事ナンダロウ」まではイキっぱなし。ここまでポップに突き抜けたアルバムはそうそうないと思います。まるで一本の映画を観ているようだ。 とにかく曲…

ムーンライダーズ『moonriders FUN HOUSE YEARS』disc 2『ムーンライダーズの夜』

95年という暗い年にリリースされたこの作品はひたすら沈鬱で難解な印象があり、聴き返すこともほとんどありませんでした。そしてその印象は今回聴いても左程変わりません。これはきついアルバムだ。 阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件に加えてメンバーの武川…

ムーンライダーズ『moonriders FUN HOUSE YEARS』disc 1 『Beautiful Young Generation HIGH SCHOOL BASEMENT 1』『Le Cafe de la Plage』

ファンハウス時代のムーンライダーズのボックス・セットを入手しました。この時期のムーンライダーズは難解なイメージが強かったんですが、20周年ということでリリースされた『Bizarre Music For You』が出色の出来だったので、どうしても誘惑に抗えずに手を…

ローラ・ニーロ『Trees of the Ages : Laura Nyro Live in Japan』

ローラ・ニーロの94年来日時の音源が再発されてサブスクにもあったので聴いてみました。非常にいいですね。 最終作の『Walk the Dog & Light the Ligtht』発売直後ということもあり、最新作からの楽曲も多く演奏されていますが、これがなかなかいい。このア…

ジョン・ブライオン『Meaningless』

2001年に自主制作盤でリリースされたジョン・ブライオン唯一の作品の再発盤。何度かラジオで耳にしていましたが、これは捨て曲なしですね。残念ながら配信で聴いていますが、これはいつかフィジカルで手にしないと・・。 抑えた音でありながら、沸々と湧き上…