ムーンライダーズ『アンコールLIVE マニア・マニエラ+青空百景』


2022年に行われた『マニア・マニエラ』と『青空百景』の全曲再現ライブの映像がリリースされました。昨日観に行った『80年代のムーンライダーズvol.1』の会場で購入。内容の関連性が見出せる内容となっています。

 

過去作品の全曲再現ライブが海外で行われるようになって久しいですが、ムーンライダーズの場合はまずは『カメラ=万年筆』を選択し、その後こうして80年代のピークとなる作品を選択した。そこで発揮されたアマチュア感覚満載の前衛性は後々まで時代に爪痕を残しています。

 

定番曲の演奏も勢いがあっていいですが、「気球と通信」や「霧の10㎡」といった作品での演奏が非常に心に響きます。後者は昨日のコンサートでも再現されていました。

 

そして何より岡田徹さんがまだご存命なのが素晴らしい。たった1年前の出来事なのにもうこの世にいらっしゃらないなんて・・。そのお姿を目に焼き付けておくこととして、ラストの「鬼火」からインプロに若干入る流れは昨日の「くれない埠頭」でも見られた現象です。最新作がインプロヴィゼーションなんて何ということか。その演出がそこかしこに顔を出すのが最近の展開です。

 

鈴木慶一が後半の『青空百景』のパートで被っている帽子はディーボのものだと思いますが、こうしたニューウェーブ精神が満載のアルバムが40年の時を経て蘇るなんて当時は誰一人想像しなかったことでしょう。

 

最後に皆が岡田徹さんを囲んでステージを去る様子は涙を誘いますね。薔薇がなくちゃ生きていけない。