2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

The New York Rock And Soul Revue『Live at the Beacon』

ドナルド・フェイゲン、マイケル・マクドナルド、ボズ・スキャッグスの3人で来日公演するのに合わせて再発された91年リリースのライブ盤。こういうのは放っておくとなくなってしまうので、今のうちにということで手にとりました。はっきり言って存在すら知り…

マシュー・スウィート『100% Fan』

どう考えても名盤。『ガールフレンド』以上であると断言します。 マシュー・スウィートはパワーポップ文脈で語られることが多い人ですが、その才気が爆発したのがこのアルバム。発売当時は震えながら聴いていました。『ガールフレンド』で話題になって次作の…

ジェリーフィッシュ『Bellybutton』

ジェリーフィッシュは2ndの方がポップで好きですが、この1stにも『Baby's Coming Back』や『The King Is Half Undressed』みたいないい曲が収録されているので見逃せません。最近初期のライブ盤が発売されたので改めて聴いていますが、何せオリジナル・アル…

口ロロ『口ロロ』

口口口の1st。初めて聴いたときの違和感は忘れられません。冒頭からビーチ・ボーイズかハイラマズか、といったような『ヘッド博士の世界塔』のような始まり方。その後に続くギターサウンドやドテクノな楽曲等、非常にバラエティに富んだ内容で核が見えない。…

リトル・フィート『Dixie Chicken』

リトル・フィートの作品はどれもいいんですが、どれか1枚といったらこの作品にならざるを得ないでしょう。粘り気のあるニューオリンズサウンドに踏み出した最初の作品で、リズムのタイトさが尋常ではない。はっぴいえんどのメンバーがレコーディングで渡米し…

cero『My Lost City』

不思議なアルバム。密かに話題のceroの新作ですが、一度聴いただけではなかなか理解できない魅力を備えた音楽ですね。感覚的にはフィッシュマンズに近い気がしますが、要素が多彩でボーカルが聞き取り辛い。フリッパーズ・ギターや口口口を最初に聞いた時の…

コーネリアス『point』

salyuが語っていた「21世紀の音」という表現には激しく同意できるまさに新世紀を表現できた最初の作品なんじゃないかな。音を引き算したとても未来的な作品だと思います。 当時のミュージック・マガジンでのインタビューで「時代のムード」といった発言をし…

ボブ・ディラン『Bringing It All Back Home』

先日観た『ドント・ルック・バック』で冒頭に出てきた『Subterranean Homesick Blues』の映像にやられてしまい、何と初めてボブ・ディランの作品を手にしました。 映画の中のボブ・ディランは既に皮肉たっぷりの大物ぶりを披露していて見所満載でしたが、楽…

プリンス『Come』

地味ですが非常に好きなアルバムです。冒頭の表題曲もいいですが2曲目の『Space』が異常にいい!何度も繰り返し聴いています。ドラムがカッコいいんだよなあ。 プリンスからするとこのレベルの楽曲は眠ってても出来るんだと思いますが、トッド・ラングレンと…

小沢健二『Buddy 恋しくて』

小沢健二の活動停止前の一連のCDシングルはアルバム化されていません。『ある光』という曲が非常に好きで探しているのですがなかなか目にしませんね。まさかこういう事態になるとは当時思いもしませんでしたので非常に後悔していますが、今回その内のひとつ…

フィフス・アベニュー・バンド『The Fifth Avenue Band』

キリンジがデビューした時にフェバリット・アーティストに挙げていたので購入したのがきっかけです。あまりのよさにその後ピーター・ゴールウェイも集めてしまいました。そのピーター・ゴールウェイが来日した際にはシュガーベイブのメンバーもいかに自分達…

ビョーク『Post』

ビョークの2nd。『ハイパーバラッド』が特に好きです。 ビョークは1stでその存在感を世界に発信してからずっと留まることを知らない進化を継続中ですが、初期のこうしたポップスの領域にまだ足を突っ込んでいた時期の作品の方が安心して聴ける感覚があります…

スティーリー・ダン『Pretzel Logic』

スティーリー・ダンと言えば『Aja』『Gaucho』ですが、そこでの完璧主義は一種の息苦しさを醸し出していてもはや別世界の音楽、通のための祝祭空間といった趣が強いのも事実。ジャズやフュージョンの色合いも強いので若干の飽きも生んでしまうリスクも孕んで…

キリンジ『47' 45"』

この度弟の脱退が決まったキリンジの2nd。キリンジの登場は衝撃的でしたが、1stよりも実はこの2ndの方をよく聴きます。捻り具合が尋常ではないんですね。 冒頭の『Drive me crazy』に始まって名曲『恋の祭典』、強烈なリードシングル『牡牛座ラプソディ』、…

スクイーズ『Frank』

スクイーズの魅力に気付いたのはデビューから大分後になってからのことですが、このアルバムは発売当時ミュージック・マガジンで鈴木博文がレビューを書いていて「耳からウロコが剥げ落ちていく」と評していたので、これは聴かねば、と思い手にしました。 非…

ステレオラブ『Cobra & Phases Group Play Voltage in Milky Night』

強烈にいいアルバムですね。3曲目の『The Free Design』を最初にPVで観た時には余りのカッコよさに震えました。 シカゴ音響派と言われた時代はすっかり過ぎ去りましたが、当時ジョン・マッケンタイア、ジム・オルーク等を迎えて満を持して発表された本作には…

キャプテン・ビーフハート『Trout Mask Replica』

キャプテン・ビーフハートはポップだと思います。このアルバムは冒頭から強烈でとてもそうは思えないかもしれませんが効いて来るんです。声がウルフマン・ジャックみたいなダミ声ですから最初はとっつきにくいかもしれませんが、よく聴いていくと実はバック…

カーネーション『Girlfriend Army』

カーネーションの名作は数あれど、一番ポップでお勧めなのはこのアルバムだと思います。『エレキング』以降このアルバムくらいまではグルーヴが絶好調で、当時の直枝政広のソウル志向が反映されたバンドサウンドの完成形を見る思いがします。 『Something's …

はっぴいえんど『風街ろまん』

傑作。浮かぶ駅の沈むホームにとても素早く飛び降りたくなる『抱きしめたい』からして最高ですが、その後ジワジワと再評価されていった『風をあつめて』や『はいからはくち』等名曲が目白押しの素晴らしいアルバムです。 自分はYMOから遡ってここに辿り着き…

ビーチ・ボーイズ『Surf's Up』

ビーチ・ボーイズの作品ではこれが一番好きです。90年代に『Pet Sounds』をはじめとした再評価の波があり、遂に『Smile』も発売され、齢70を越えて再度集結して新作も発表して来日もしてしまう、という恐ろしいエネルギーで再始動したビーチ・ボーイズですが…

キンクス『Village Green Preservation Society』

キンクスといえばやっぱりこれでしょうね。この後の『アーサー』や『ローラ』もいいですし『マスウェル・ヒルビリーズ』も最高なんですがやっぱりこれ。何がいいかって曲がいいんですが、アコースティック色が強いのも好きな要素のひとつです。 表題曲のセン…

ムーンライダーズ『マニア・マニエラ』

最初の出会いはやはりカセットブックでした。修学旅行先の京都の本屋で見つけて購入し、部屋で友人のいる中で聴いた違和感。でも自分はすっかりこの工学的な魅力にはまっていました。発売の経緯から『青空百景』と対をなすアルバムですが、今聴くと決して難…

フランク・ザッパ『One Size Fits All』

ザッパではやはりこれが最高だと思います。冒頭の『Inca Roads』の展開の複雑さ、しかもそれをすべて人力でモノにしている。ここでのジョージ・デューク(Kb)やチェスター・トンプソン(Dr)の演奏はただものではないし、その後に続く『Can't Afford No Sho…

トッド・ラングレン『A Wizard, A True Star』

リミッターがかかりまくったドラムの音が鳴り出した瞬間から一気に引き込まれる素晴らしい魔境。短い曲の集積がポップな毒を振りまき、軽く陶酔の彼方へと連れて行ってくれる作品です。ノンストップのA面は本当に美しくてカッコいい。 トッド・ラングレンの…

XTC『English Settlement』

XTC

XTCの最高傑作だと思います。前作の『Black Sea』を推す方もいますが、断然こちらの方が成熟度で上回っていますね。 最初に聴いたのははるか昔の貸しレコード屋があった時代。その頃国内盤は1枚でしたので、5曲程カットされていました。その後輸入盤で正式版…

YMO『BGM』

YMO

YMOの最高傑作。自分の原点がここにあります。 発売当時はあまりの変貌に不覚にも聴きながら寝てしまいましたが、その後30年に渡って常に振り返る作品です。『Mass』にはまる人が多いですが、『音楽の計画』が一番印象に残っていて、鋭いリズムに目眩がしま…

クラムボン『2010』

今月リリースされる高野寛と伊藤大助のアルバムを試聴していたら、続けて鳴り始めたのがこのアルバムでした。思えばiRadioで「ごまみそずい」を聴いていた頃、この作品が丁度リリースされて何度か耳にしていた。また、WOWOWでのライブ映像もそこそこ楽しんで…

ドナルド・フェイゲン『Sunken Condos』

久々の新作です。これで4作目というのはいかにも寡作ですが、既にこのリリース間隔には慣れてしまいました。むしろ『トリロジー』で3部作完結で、もう新作は出さないのかと思っていたので意外なくらいですね。 よくも悪くも新規性に乏しくて、いつものドナル…

グランドファーザーズ『GRANDFATHERS』

あるとは思ってなかった21年ぶりの再結成3rdアルバム。 グランドファーザーズとの出会いはムーンライダーズ鈴木兄弟の自主レーベルメトロトロンからのリリースというその一点に尽きます。1stは初々しくて印象的でしたが、その後青山陽一のソロを挟んだ2ndも…

キンクス『Misfits』

アリスタ期のキンクスはUS向きの音というイメージが強くてずっと手を出さずにいましたが、遂に手にとった78年作。アリスタ移籍後の2作目です。意外と悪くないなあ。 しばらく前に放送されていたキンクスのドキュメンタリーで、この前の作品『Sleepwalker』の…