ボブ・ディラン『Bringing It All Back Home』

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先日観た『ドント・ルック・バック』で冒頭に出てきた『Subterranean Homesick Blues』の映像にやられてしまい、何と初めてボブ・ディランの作品を手にしました。

 

映画の中のボブ・ディランは既に皮肉たっぷりの大物ぶりを披露していて見所満載でしたが、楽曲の方はまだフォーク調が多い印象。でもこの曲は違いました。ボブ・ディランがフォーク・ロックに踏み出した最初の作品がこれだということで、当時は賛否両論だったようですが、何といってもこの言葉のリズムのキレはある意味現代のラップのようで、鋭く斬り込んでくるライムの連続に単純にカッコいいな、という感想を抱きました。

このアルバムには『Mr. Tambourine Man』も入っていて、この後のバーズのカバーを経てフォーク・ロックが始まっていったんだと思うと偉大な出発点を観る思いがします。65年作品ですが音も悪くなくて安心して聴けますね。映画の中のボブ・ディランの周囲に対する徹底したディベーターぶりは観ていて痛快。でもやっぱりこんな人が近くにいたらさぞかし嫌だろうなとは思います。音が意外と悪くなかったのでもう少し聴いてみようかなと思わせる内容でした。ボブ・ディランには一生触れないで過ごすかと思っていましたが、やっぱりそうもいかないですね。