遠藤賢司『夢よ叫べ』

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令和の一発目は遠藤賢司。96年にリリースされた作品です。実は遠藤賢司はかつて何枚か持っていたんですが、あまり聴かないので売ってしまった経緯があります。誠に失礼千万ですが、やはり内容が濃過ぎて繰り返し聴く気になれなかった。しかしそうも行きません。今は、あがた森魚遠藤賢司は見かけたら一枚づつ手に取ろうと心に決めています。

 

遠藤賢司ムーンライダーズの30周年記念コンサートで実物を拝見しましたが、その時も一人で野音の会場にエレキギターをかき鳴らして降臨していました。確か武道館でも観客を入れずに一人で演奏する映画があったと思いますが、その振る舞いの極端さと同時にどこか熱情が封じ込められて佇まいは静かであるような、不思議な魅力を持った人だなあと感じていました。

 

この作品はスタジオ録音盤としては『宇宙防衛軍』以来16年ぶりの作品だったそうですが、これだけインターバルがあったということや、この作品の前作が『宇宙防衛軍』だったという事実に驚きました。(『宇宙防衛軍』と『東京ワッショイ』はかつて持っていたのです。)

 

本作の印象は、とにかく語りかけてくる言葉にありました。激しい曲であっても静かな曲であっても言葉がひとつひとつ丁寧に迫ってくる。とても優しい人なんだなと感じました。音楽なんだけれども主役は言葉にある。

 

遠藤賢司あがた森魚に共通するのは原点にボブ・ディランがいることだと思います。自分がボブ・ディランを真剣に聴き込んだことがないので、どうしてもこの二人の作品にも足が遠のいてしまう。言葉の大切さを音楽に込めている点も同じです。ここを避けては通れないでしょう。今度は本腰を入れて聴き込んでいこうと思っています。