エルヴィス・コステロ『Secret, Profane & Sugarcane』

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平成最後の日は雨模様ですね。エルヴィス・コステロのこちらは2009年作品。この頃のコステロはコンスタントに新作を発表していて、当時まだコステロの過去作品を追い切れていなかった自分にはちょっと過剰なリリース量でついていけませんでした。いずれまとめて聴かないと、と思って随分と時間が経ちましたが、徐々にこうして追いつきつつあります。

 

こちらはTボーン・バーネットのプロデュースによるカントリー寄りの作品。それにしても本当に作品ごとにスタイルが変わる人です。結果的に楽曲に突出したものが欠けてしまうので、印象に残りにくくて、全体で迫ってくるようなアーティストとなってしまいます。コステロが食い足りないのはそこなんだな。

 

ややもすると耳を通り過ぎていってしまう心地よさ、というより普遍性。悪くないんだけど残らない。単純に自分の勉強不足なのかもしれませんが、引っかかる音はいつ聴いても「おっ」と思わせるものがありますので、やはり薄味なのは否めないのではないでしょうか。これはこの作品が、というよりコステロ全体が、という意味で。

 

しかし、気付くのに時間を要するのもコステロの良さなので、これはじっくり時間をかけて味わっていこうと思っています。突然世界が開ける事もある。