ニック・ロウ『Party of One』

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90年リリースの8作目。ニック・ロウは3rdの『ニック・ザ・ナイフ』を本当によく聴きました。そしたら会社でも同じく目覚まし代わりによく聴いていたという人がいて嬉しくなりました。これ、ほんとにカッコいいんですよ。

ニック・ロウは渋過ぎて過去の作品もあんまり再発されていなかったりしますが、最近も来日はしているしブリンズリー・シュウォーツの過去作品も再発されたりして活動は意外とコンスタントなんですが、何故にこんなに地味な扱いなのか。このアルバムもプロデュースはデイヴ・エドモンズだしライ・クーダージム・ケルトナーは参加しているして結構話題性は充分なんですが、なにせ最近の作品は更に渋みが増していて玄人向けのような雰囲気が益々増している。

かくいう自分もエルヴィス・コステロ経由でこの人を知ったクチですので左程褒められたものでもないんですが、過去のタイトルはもう少し流通させて欲しいなあ、と思う次第です。この作品は初めて聴きましたが、前半の比較的飛ばしているナンバーに比べて中盤以降は少し落ち着きが出てきてやっぱり渋い。3曲目の『Gai-Jin Man』なんかではライ・クーダーのスライド・ギターが鳴りまくっていて文句無しですね。

とはいえやっぱり地味かなあ。ニック・ロウは勢いのある曲が白眉だと思うのでやはり初期を味わうべきかなと思っているんですが、そういうことは全部聴いてから言え、と自らを律してしまいます。この辺のロックの良心のようなアーティストはどうしても影に隠れがちになりますが、今後も少しずつ深めていこうと思う次第です。