ブリンズリー・シュウォーツ『Brinsley Schwarz / Despite It All』

f:id:tyunne:20181027075930j:plain

ニック・ロウのいたブリンズリー・シュウォーツの1stと2ndの2in1です。70年リリース。ブリンズリーは中古屋に行く度に見てはいましたが、2in1でオリジナル・アルバムが再発されていたんですね。知りませんでした。

どちらもほとんどニック・ロウの曲ですが、1stの方はアコースティック・ギターの弾き語りが目立つ静かな作りでどの曲も朴訥とした感じです。最初から完成度が高くて、かつ収録曲も7曲しかない。これは10分を越す長尺曲なんかが含まれているからで少しびっくりしますが、比較的佇まいはコンパクトでパブロックの出発点を見るには最適な音。驚く程突出したところは見受けられませんが、後の活躍を予感させる粒の立ち方ではあります。70年だから結構古いですよね。

後半が2ndになりますがテイストは左程変わりません。長尺曲がなくなってよりコンパクトになっていますが、くぐもった感じの音質と相俟って印象は比較的地味。但し萌芽は感じます。若干ピーター・ゴールウェイのようでもあり、英国というより米国のカントリー風味がまぶされたような雰囲気。この辺りあまり国境はないんですね。ストーンズだってコステロだってそう。ブリンズリー周辺はニック・ロウの諸作も含めてもう少し深堀が必要かな。その内また探してみるつもりです。