松本隆

はっぴいえんど『WITH はっぴいえんど 〜バッキング音源集〜 (VERY BEST OF PRODUCTION WORKS)』

最後はバッキング・ミュージシャンとしてはっぴいえんどのメンバーが参加した音源を集めたディスクです。これも、はっぴいえんどというバンドを立体的に捉える良い参考資料となっています。 ここで考えたことはたった一つ。「大滝詠一はフロントマンである」…

はっぴいえんど『はっぴいえんど ライヴ・ヒストリー 〜レアリティーズ〜 Vol.2(ULTIMATE LIVE HISTORY VOL.2 1972)』

次は72年のライブ発掘音源。ここでの演奏は「拡散」がポイントだと思います。 冒頭から大滝詠一のソロ曲である「それはぼくじゃないよ」でスタートしますが、この72年4月のライブはほとんど大滝詠一のソロ・ライブと言い換えてもいい。「はいからはくち」は…

はっぴいえんど『はっぴいえんど ライヴ・ヒストリー 〜レアリティーズ〜 Vol.1 (ULTIMATE LIVE HISTORY VOL.1 1970-1971)』

ここからは発掘音源となります。まだヴァレンタイン・ブルーと紹介されている頃の70年4月の演奏から始まりますが、この時点でまだ1stもリリースされていない。ごく最初期の録音からスタートして、全日本フォーク・ジャンボリーの音源へと繋がっていきます。 …

はっぴいえんど『THE HAPPY END』

85年のはっぴいえんど再結成ライブは「ALL TOGETHER NOW」というイベントの一環として行われました。 冒頭の大滝詠一の「はっぴいえんどです」の一言で男性2名が失神して倒れた、という話は象徴的です。この頃にして既に生ける伝説となっていたバンドなので…

はっぴいえんど『ライヴ!! はっぴいえんど』

73年の解散コンサート。久々に聴きましたが、演奏が非常にいいですね。はっぴいえんどはスタジオ中心のグループでライブは今ひとつ、という評判があったようなんですが、ここで聴ける艶っぽい演奏を聴くと、そうした定説が偽りであったことを知ることになる…

はっぴいえんど『HAPPY END』

はっぴいえんどのラスト・アルバムは既に解散が決まってからLAで録音された作品です。松本隆は「今回ぼくはドラムだけ叩く。茂以外には歌詞は書かない」と宣言していて、実際細野晴臣は自作の歌詞で楽曲を制作しました。しかし、大滝詠一が渡米してから「歌…

はっぴいえんど『風街ろまん』

かつて新春放談で山下達郎が大滝詠一に向かって「風街ろまんは大滝さんの曲に始まって、大滝さんの曲で終わる、大滝さんのアルバムですよね?」と問いかけたのに対して、大滝詠一は「いや、これはやっぱり「風をあつめて」なんだよ」と答えていたのが印象的…

はっぴいえんど『はっぴいえんど BOX』『はっぴいえんど』

今回の一件を機に、04年にリリースされたはっぴいえんどのボックスを聴き直してみることにしました。当時散々迷った挙句、思い切って購入した8枚組のボックス・セットです。 最初は70年リリースのデビュー・アルバム。この作品はしばらく前に一度聴き返して…

はっぴいえんど崇拝論

四半世紀以上前に書いた「はっぴいえんど崇拝否定論」という文章が何故か結構読まれており、若気の至りで非常に恥ずかしい文章となっているため、部分的に書き直したりしていました。その上、自分ははっぴいえんど自体は大好きなので、当時の内容の訂正も含…

松本隆『風街であひませう』

40代も後半になると仕事の仕方が変わってきます。長くやっていれば自然と知り合いも増えますし、かつての経験がお互いに知織化されているので、大体仕事を頼む時におおよそのイメージが湧く。 はっぴいえんどのかつてのメンバーに仕事を頼むことで、バンドで…

はっぴいえんど『ライヴ!!はっぴいえんど』

はっぴいえんどの解散コンサートは実質次の活動のお披露目の場を兼ねていて、既にナイアガラやキャラメル・ママといった要素が包含されています。従って、ここでの演奏は終止符であると同時に出発地点でもある。かつゲストメンバーとしてひっそりとその名を…

はっぴいえんど『HAPPY END』

会社に細野晴臣みたいな人がいて、これが様々なプロジェクトを立ち上げては次、と繰り返すんですね。天才肌なんだけど、信用してついて行くともうそこにはいなかったりする。結果的にマネジメントとしては成功しない訳ですが、アウトプットの質にはこだわる…

はっぴいえんど『はっぴいえんど』

はっぴいえんどの1stは最初聴いた時の印象が地味で、その魅力に気付くのに随分と時間がかかりました。この作品がリアルタイムで出た時の衝撃というのは後追いの自分には知る由もなく、また松本隆の詩人としての佇まいや若気の至りで繰り出される青臭い雰囲気…

はっぴいえんど『風街ろまん』

傑作。浮かぶ駅の沈むホームにとても素早く飛び降りたくなる『抱きしめたい』からして最高ですが、その後ジワジワと再評価されていった『風をあつめて』や『はいからはくち』等名曲が目白押しの素晴らしいアルバムです。 自分はYMOから遡ってここに辿り着き…

はっぴいえんど崇拝否定論

#本文は1995年8月号に掲載されたものです。 「向うを行くのは お春じゃないか」で始まる「春らんまん」という曲が好きです。「日本のロック」の先駆者として伝説化されているはっぴいえんど。確かにその存在意義は大きかったのかもしれません。しかし、それ…