2003年にリリースされた作品。聴いた印象はとてもシンプルなものでした。ピアノと向き合っているジャズ・ボーカルのような作品ですね。
丁度昨日、ふと思い立ってしばらく前に入手したノラ・ジョーンズのアルバムを聴いていましたが、改めて非常にいい。静かなボーカルが昼下がりの休日によく合うなあ、と感じていました。本作の質感もそれに近い。いや、もう少し暗いかな。
坂本龍一と大貫妙子がピアノとボーカルだけで作った『UTAU』という作品がありましたが、その辺にも近いような気がします。要するにじっくりと歌って、伴奏はピアノの音中心、という感じですね。染み入ってくる音楽。一瞬退屈なんですが、曲単位というよりトータルで時間を楽しむような、ほんのりと生きる喜びを感じさせてくれるような、そんな作品だなあと感じました。
コステロは振り幅が大きいので、色々ある中のこれは静かな一面を見せている断片なのだと思います。