ビーチ・ボーイズ『Beach Boys' Party』

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65年という年は『ペット・サウンズ』がリリースされた前年にあたりますが、本作はその直前に出された作品。今回69曲というボリュームのボーナストラックを収録して再発されたので手にとりました。

当時ビーチ・ボーイズはキャピトルと年間3枚のアルバムをリリースする契約を結んでいたそうで、本作は既に『トゥデイ』『サマー・デイズ』と2枚のアルバムをリリースしていた年の後に苦肉の策で制作されたもの。その割にはメンバーは充分に演奏を楽しんでいて、聴く側にもそれが伝わってきます。お酒も飲んでるのかな。

ビートルズのカバーが目につきます。本当に音楽が好きだったんだろうなあと思わせますが、その他にもボブ・ディランストーンズエヴァリー・ブラザーズ等のカバーが続き、自分達の曲はほんのちょっと。たまに出て来るので新鮮味はありますが。

大量のボーナストラックはいわゆるセッションものですが、ごく自然に次から次へと楽曲を演奏していく様は自由でリラックスしている。ブライアン・ウィルソンは既にツアーには参加しておらず、この時期は『ペット・サウンズ』の制作に行き詰まっていた頃。そういう意味ではこのアルバムの録音はいい息抜きになったんだろうと思います。マイク・ラヴもたまにはいいアイディアを出すんですね。