キンクス『フェイス・トゥ・フェイス』

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一年間の疲れからか、腰に起因する右足の神経痛が再発して非常に痛い。寒いしね。ほんとに歳をとるのは大変だ。

こうしたオヤジが闊歩する年末の中古屋で売ったCDの査定額にガックリしつつ何とか捻り出して購入したキンクスの66年リリース4作目。以前プラケースは売り払って退路を断ったはいいもののなかなか買えなかった作品の買い直し。何といっても『サニー・アフタヌーン』だ。

それにしてもデビュー3年目でこの成熟はどうだ。当時のキンクスは年に2枚ペースでアルバムを出していて、この作品の翌年には大好きな『サムシング・エルス』と『ヴィレッジ・グリーン』が出てしまう。ということは音の質感はそれらと左程変わらない訳で、悪いはずがない。久々に聴いたがやっぱりこの時期のキンクスはいいなあ。勿論『アーサー』以降も脂が乗り切っていていいんだが、この66年~67年あたりはビートグループから脱却してコンセプチュアルになっていく過程の瑞々しい魅力に満ちていて非常に勢いがあっていい。

本日はムーンライダーズのルーフトップギグだが、キンクスも兄弟でバンドをやっているという意味で共通点がある。(少し強引か?)何といってもやっぱりお兄さんで、レイ・デイヴィスの才人ぶりは既に爆発寸前。時代は『ペット・サウンズ』や『リヴォルヴァー』の頃だから全般的に輝かしい時代だったんだな。まだ自分は産まれてませんけどね。

キンクスはここのところ決定盤のデラックス・エディションが続々発売されている関係上、中古屋にも在庫が溢れてきていて喜ばしいが、やっぱり好きなアルバムはデラックス盤を入手すべきなんだよなあ。高いんですけどね。ほんとにキンクスは何度も再発されてファンは大変なバンドだ。

XTCの源流を見るような才気溢れる音源たちを味わっていると英国の懐の深さを痛感する。ボーナストラックのシングル群や未発表曲も一分の隙もなくて愛おしい。キンクスの旅はもうしばらく続きそうだ。