キンクス『この世はすべてショー・ビジネス』

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セルロイド・ヒーローズ』を聴いていると「今年も色々あったなあ」等とごく普通の感慨に浸ってしまう。72年リリースのスタジオ録音盤とライヴ音源の2枚組。CDでは1枚で収録時間は69分だ。

『マスウェル・ヒルビリーズ』の後だけあって演奏は脂が乗り切っていい感じだ。こいつも久々に聴いたがやはりスタジオ盤の楽曲が結構いい。ボリュームが多いので何となく見過ごしてしまいそうだが実は『Hot Potatoes』『Here Comes Yet Another Day』『Look A Little On The Sunny Side』等聴きどころが多いアルバムで、この時期のキンクスを綺麗に切り取ってくれている。60年代後期と70年代初頭はキンクスの絶頂期だったんだなあ。XTC好きはまずは『サムシング・エルス』から『マスウェル・ヒルビリーズ』までをマストで聴くべし。そして余裕があればこのアルバムで『セルロイド・ヒーローズ』を味わってはいかがだろう。

この後キンクスは『プリザヴェイション』をはじめとしたしつこい世界に突入していくが、その直前の成熟感がバランス良く漂う瞬間を納めた好盤。中古で800円でした。安いよなあ。