ジェリーフィッシュ『Bellybutton (Deluxe Edition)』

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ジェリーフィッシュの作品がデラックス・エディションで出たのは既に2年半近く前のことですが、当時はそこまでしなくとも・・と思い手を出しませんでした。ただ、やはりパワーポップの金字塔ですので、買わずに死ぬのは惜しいかな、ということで例によって残りの人生に必要かどうか、という大げさな理由をつけて手に取ることにしました。単純に中古で見つけただけなんですが・・。

で、90年リリースのこちらは1st。既に音は完成していて、次作の感触よりも箱庭度が若干低いのが特徴です。キラーチューンは「Baby's Coming Back」「The King Is Half-undressed」あたりでしょうか。まだジェイソン・フォークナーも在籍していた頃の作品で、アンディ・スターマー、ロジャー・マニングという鉄壁の布陣。その後、ひっそりと名を上げたメンバー達ですが、優れた才能が輩出されていると思います。いいバンドなんですよ。

オリジナル・アルバムが2枚しか出ていないのに度重なる再発や編集盤、未発表曲の発売が延々と続くという珍しいバンドですが、それだけパワーポップの需要はしぶとい、ということなのでしょう。ユニバーサルもそこは見逃さなかった。この再発では日本盤のみ紙ジャケ仕様という離れ業をやってのけています。

デラックス・エディションは2枚組で、1枚目にオリジナルとライブ、2枚目にデモバージョンという構成。マニア向けに音源をできるだけ揃えた、という感じですが、ボーナストラックの解説が十分ではないのが玉に傷です。それでもこういった再発がなされたこと自体にファンは感謝すべきなんじゃないかなと思います。