3枚目からYMOの音源に入ります。まずは2008年から2010年まで。2008年の段階ではまだHASYMO名義でしたが、前年にパシフィコ横浜で復活してから徐々に加速していった再始動の波がここへ来てピークに達しつつあって、演奏がとても充実しています。
やはり気づいたことは、先日聴いた1978年の初期ライブと同様に、高橋幸宏自身がドラムを演奏すると楽曲が締まるということ。細野晴臣のベースと相俟ってリズム隊がしっかりと根を下ろすのでファンクネスが増してきます。再後期のYMOがファンクバンドだと言われるのはこの辺りが理由となっていて、その鍵はやはり高橋幸宏のドラムが握っている。
「Wonderful To Me」や「War And Peace」といった楽曲でのドラミングは本当に素晴らしくて、かつベースも自在に動いている。キーボード主体の音楽ではなかなかそうはなりません。更に散開期やソロでの演奏ではサポートドラマーを入れることが多かったので、そのライブ音源と比べてもファンクネスが秀でています。これ、結構重要な要素ですね。
「千のナイフ」でのイントロが鳴った瞬間の歓声や、「The City of Light」の前の「おかえりー」といった歓声など、観客側の熱気も伝わってくるステージでしたが、実際に観ている方はまるで伝説の再現を目撃しているようで気が気ではなかった。新曲も織り交ぜて過去の曲をリメイクしていく瞬間のスリリングな時間は「いつまで続くんだろう」という不安と背中合わせだったことを思い出します。