40年の時を超えてやって来た小池玉緒の作品集。YMO参加曲の「鏡の中の十月」は耳にしたことはありましたし、細野晴臣のシングル『三国志』のB面に収録されていた楽曲でボーカルを取っていたので何となく知ってはいましたが、結構音源が沢山あるのに驚きました。
恐らくこの方はあらゆる事象の源流にいた方なんですね。太田螢一の『人外大魔境』に参加している音源などはまるでゲルニカの原型のようですし、松田聖子に細野晴臣が楽曲提供した「わがままな片思い」の原型である「カナリヤ」という曲があったりと、色々な場面でオリジネーターと接触があったことが後々の時代に別の形で痕跡を残している。
「鏡の中の十月」が結果的に突出していますが、様々な音源が彩る80年代初頭という時代を映す貴重な記録であることは間違い無いでしょう。こうしてまとめてくれてとても感謝していますし、そう思っている方も多いのではないでしょうか。