石野卓球『TITLE#2+#3』disc 2

考えてみれば本作がリリースされた2004年という年には既にスケッチ・ショウは始動していた訳で、グリッジ・ノイズによるエレクトロニカが全盛の時代だったはず。実際、坂本龍一も同年に『Chasm』をリリースしています。

 

その年に出たアルバムにしては一切そうした音はなく、それ以前とそれ以後も一貫して鳴っている石野卓球の音が紡がれています。時代の流れがどうなろうが関係なく、延々と四つ打ちを極めていく。ある意味ストイックで、ある意味ここから時代を読むのは難しい。それが賞味期限の長い音楽を残すことに繋がっているような気がします。

 

37分と短いながらノンストップ。痛快な作品です。