モレレンバウム2 / 坂本龍一『CASA』


その後も坂本龍一さんの追悼番組が続いていて、YouTubeでも様々な生前のライブ映像やドキュメンタリーを観ていました。その中でこのブラジル音楽のカバー集が耳に引っ掛かりました。

 

高橋幸宏さんの作品はほとんど持っていたので、しばらくは順番に聴き返したりしていたんですが、坂本さんの場合は一部抜けている作品もあって、本作もそのひとつでした。今は配信で聴くことができますので、しばらくは追悼の意味を込めてこれまで聴けていなかった作品をフォローしていくことにしようと思います。

 

本作は2001年のリリース。アントニオ・カルロス・ジョビンと活動をともにしてきたチェリストジャキス・モレレンバウム、妻のパウラ・モレレンバウムと一緒にアントニオ・カルロス・ジョビンの家で録音した作品です。リラックスしたいい音が奏でられていてとても心地よい。

 

時期的にはこの後、地雷ゼロを訴えた『Zero Landmine』が始動したり、ニューヨークでのテロがあったりと慌ただしい日々を過ごす直前にあたります。実際この作品も『Zero Landmine』のドキュメンタリー映像に出てきて意識したようなものですが、喧騒の前の一瞬のやすらぎのような音楽で、その後もしばらく活動が続く。とても評判が良かったそうですね。

 

2000年前後は坂本さんの音楽から若干耳が離れていた時期だったので、今回聴き返すことができてとても良かった。しばらく思いを馳せながら身を委ねてみたいと思います。時折鳥の声が聴こえるところもいいですね。