坂本龍一『COMICA』


もうしばらく追悼を続けようと思います。こちらは02年にリリースされた作品。

 

オリジナル・アルバムでいうと99年の『BTTB』と04年の『CHASM』の間に挟まれた時期のリリースで、かつ9.11の直後となります。

 

ゼロ年代坂本龍一さんはアルヴァ・ノトやクリスチャン・フェネスなどとのコラボレーション作品も多くなっていきますので、比較的アンビエントな音に近づいていく時期。その結果09年の『out of noise』で音楽ではなく「音」に焦点を当てた作品にたどり着いていくことになります。

 

翻ってこの作品はその序章ともなっている作風で、静謐な音にピアノの音がそっと置かれているような静かな作品が続きます。晩年の作風を予見するようでもあり、追悼の意味合いで耳を傾けるにはもってこいの作品です。