坂本龍一『Year Book 1980-1984』

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同時発売されたアーカイヴ集第3弾は80年から84年までの5年間での未発表曲集です。ここではやはりB2-Unitsでしょうか。当時FMで放送されたものをエアチェックして繰り返し聴いたものです。

発足の理由がフィジカルな演奏を行うバンドをやることだったというのは知りませんでした。YMOやソロでの電子音楽の反動が来ていたのでしょう。実際はここで聴こえてくる音の透明感、その後立花ハジメの作品に結実していくアカデミックな感触、そういったものが時代と共に思い起こされます。会場の子供の声が当時は邪魔に感じましたが、『Out of Noise』以降はこれも含めて音楽なんだと思えるようになりましたので、今は気になりません。

「Happy End」のオリジナル・バージョンが出てきてやっと音楽になったと安心しますが、東京混声合唱団との強烈な録音物などもあって、結局は坂本龍一という人は現代音楽系の人なんだなあと思い知らされることになりました。こうしたアカデミックなアプローチがニューウェーブに向いたりクラッシックに向いたり大衆音楽に向いたりする。矛先はどこでも良いのですが、結果として音楽の概念を広げている人なのではないかと思います。