2020-01-01から1年間の記事一覧

シャーデー『Stronger Than Pride』

とにかく冒頭の「Love Is Stronger Than Pride」、これに尽きると思います。シャーデーの88年リリースの3rdアルバムですが、ほぼこの一曲のために探していたと言っても過言ではない。 シャーデーが流行っていた頃というのは自分にとっては高校生から大学生の…

レッド・ガーランド『Bright and Breezy』

2020年を振り返るにはまだ早いですが、余りにも時が経つのが早いのでそろそろ考え始めても良いかなと思ったりします。自分の聴いた音楽という意味では、今年はやっとジャズに目覚めた時期だったということができます。多くはラジオ番組のおかげですが、きっ…

ケニー・ドリュー『Dark Beauty』

こちらは74年録音の作品。ケニー・ドリューを聴くのは2作目ですが、前回聴いた『アンダーカレント』もピアノを弾きまくっている印象がありました。こちらも同様ですが、とにかくクラシカルで時にバンドと共に走り抜けていくような疾走感もあって痛快です。 7…

ラヴィン・スプーンフル『Do You Believe In Magic』

禁煙を始めてからまる4年経った記念の日に聴くのはラヴィン・スプーンフルの65年リリース1st。こちらはBSの番組『Song To Soul』を観て手にとった一枚です。 ラヴィン・スプーンフルについては表題曲が余りにも有名で、かつジョン・セバスチャンについては折…

ソニー・ロリンズ『Newk's Time』

57年録音のこちらもハーモニカミッドナイトで紹介された作品。冒頭からマイルスの「Tune Up」で始まるのが嬉しいですね。この曲は自分がマイルスを初めて聴いた『Cookin'』に入っていた曲で、当時を思い出しながら聴くことができました。 そもそも本作のドラ…

ノラ・ジョーンズ『Feels Like Home』

テレワークが続いて神経痛になってしまいました。快適なのは良いですが、やはり運動不足は否めませんね。 ノラ・ジョーンズは1stを聴いて以降、折に触れて耳にする「ウー、ウー、ウー、ウー」という印象的なコーラスの楽曲が入っている作品を探していました…

アルヴァ・ノト + リュウイチ・サカモト『vrioon』

00年代の坂本龍一というのは、04年に『キャズム』、09年に『out of noise』をリリースした他はオリジナル・アルバムとしては目立った活動がなかったような印象があるんですが、実は復活YMOに参加していたり、こういったコラボ作品を多数リリースしていたり、…

ドナルド・バード『Byrd Blows On Beacon Hill』

56年録音の作品。こちらも例によってハーモニカミッドナイトで紹介された作品となります。 ジャケットも渋いですが、内容もストイックでいい感じ。ドナルド・バードはジャズ・メッセンジャーズの2代目トランペッターなんですね。解説を読んでいて出てくる人…

ビートルズ『Anthology 3』disc 2

ラスト。今度書籍も出るゲット・バック・セッション関連の音源、すなわち『Let It Be』関連のデモとラスト・アルバム『Abbey Road』関連の音源を集めたものですが、ここでのデモやセッションの音源はどうしても解散へ向かう悲しいエピソードがイメージとして…

ビートルズ『Anthology 3』disc 1

アンソロジーの第3集は後期音源です。1枚目はホワイト・アルバムのデモやアウトテイクですが、これは50周年記念ボックスが出た際に会社の人が話していたことを思い出しました。 曰く、「一回聴いて二度と聴かないかもしれないから迷ってるんだよ」と仰って…

ジャパン『Live From The Budokan Tokyo FM, 1982』disc 2

後半は多彩なゲストが登場します。まずは解散コンサートの際にゲスト・ギタリストとしてツアーに同行した土屋昌巳。そしてデヴィッド・シルヴィアンと坂本龍一の共作シングル曲「Bamboo Music」を演奏する際には坂本龍一と矢野顕子。更に坂本龍一提供曲の「T…

ジャパン『Live From The Budokan Tokyo FM, 1982』disc 1

出るとは思っていなかったジャパンの解散コンサートの音源。正式リリースとはいえ音源はおそらくはエアチェックのもので音質は今ひとつです。とはいえこれは記録そのものが貴重。ご本人達は不本意でしょうが、聴く側としてはやはり嬉しいですね。 オープニン…

ロイ・ウッド&ウィザード『Main Street』

萩原健太さんのブログで知ったロイ・ウッドのお蔵入り作品のリマスター再発。以前発掘されたCDはちょっと今となっては音が小さくて、内容がいいだけに多少不満でしたので、今回の再発はまさに願ったり叶ったりです。 しかし、この作品が元々ウィザードの『エ…

ビートルズ『Anthology 2』disc 2

2枚目は『サージェント・ペパー』から『マジカル・ミステリー・ツアー』にかけての66年、67年辺りの録音物。この辺になってくると原曲のバージョンが頭に入っているので空で聴くことができます。 『サージェント・ペパー』は影響力としては大きいですが楽曲…

ビートルズ『Anthology 2』disc 1

アンソロジーの第2集、1枚目は65年から66年にかけて、アルバムでいうと『ヘルプ』『ラバー・ソウル』『リヴォルヴァー』の頃にあたります。初期の闇雲に前を向いて突っ走っていた時代から、狂騒に疲れてスタジオに引き籠る一歩手前まで。既にスタジオワーク…

ジャッキー・マクリーン『Makin' The Changes』

こちらもハーモニカミッドナイトで紹介された57年録音の作品です。全6曲、36分という短い構成ですが、バンド構成は半々で異なっています。 マル・ウォルデンと一緒に演奏しているカルテットの方は音が鋭く迫ってくる勢いがあっていいですね。一方、ベースに…

ビートルズ『Anthology 1』disc 2

ビートルズのデビューは1962年ですが、解散が1969年なので活動期間は僅か7年。この短さを最初は意外に思ったものでした。 昨今のバンドが10周年、20周年とアニバーサリー活動を行うのに比べてとても凝縮された活動期間だったことが窺い知れますが、時代の流…

ビートルズ『Anthology 1』disc 1

ビートルズのアンソロジーは映像版の方をDVDで持っていて、折に触れて見返したりしていました。今回の自粛期間中も一度見ましたが、やっぱり面白いんですよね。60年代を駆け抜けた当時の時代の先駆者、しかも世界中を相手に様々なことに巻き込まれていく。た…

デューク・ピアソン『Hush !』

今日は久々に出社予定です。果たして世の中はどのくらい変わっているか?目に見えない恐怖、というよりも社会の変化の方が気になりますね。 さて、こちらは62年の録音作品。いつも通り、ハーモニカミッドナイトで紹介された1枚となります。トランペットの2…

フランク・ザッパ『The MOTHERS 1970』disc 4

ラストの4枚目は一番好きな構成かもしれません。内容はザッパのテープレコーダーからの音源を編集したものですが、ザッパは常にバンドの会話を録音していて、これが後のアルバムに使われたり、『200Motels』の映画の台本になったりしていました。この台本に…

フランク・ザッパ『The MOTHERS 1970』disc 3

3枚目は70年8月のサンタモニカでの公演を収録したものですが、タイトルに「Hybrid Concert」とあるのでどういう意味かな、と考えていました。どうもマスターテープの一部に編集による欠損があって、その部分を9月の公演の音源で補ったようですね。 基本的に1…

ポール・チェンバース『Whims of Chambers』

ポール・チェンバースの56年録音作品。ちょうどマイルスのクインテットに参加していた頃の作品なので、サックスにはコルトレーン、ドラムにはフィリー・ジョー・ジョーンズが参加しています。ピアノはレッド・ガーランドではなくてホレス・シルヴァーです。…

フランク・ザッパ『The MOTHERS 1970』disc 2

ザッパが第2期マザーズを始動させて最初に行ったのは欧州ツアーだったとのことですが、その際にオランダのTVに出演したという話が「70s クロニクル」で当時のメンバーによって語られていました。2枚目のディスクでは前半がそのTV出演時の演奏が収録されてい…

フランク・ザッパ『The MOTHERS 1970』disc 1

今年は1970年から50年後ということで、1970年の作品を振り返るプログラムが各所で見受けられますが、ザッパ関連でも1970年に結成された第2期のバンドに焦点を当てたボックスが発売されました。 実は70年代初頭のザッパの活動については左程注意を向けていな…

ビル・エヴァンス『How My Heart Sings』

ビル・エヴァンスの62年録音作品。こちらもハーモニカミッドナイトで紹介されました。ビル・エヴァンスはマイルス・デイヴィスのバンドに参加していたので知ってはいましたが、実際に参加していたのは僅か半年ほどなんですね。きちんと聴くのは今回が初めて…

フランク・ザッパ『1970s Broadcast Collection』disc 6

ラスト6枚目は77年のライブ音源ですが、こちらは『ベイビー・スネイクス』の元音源、その後のリリースでいえば『Halloween 77』で既出の音源です。1977年10月31日ニューヨークでのコンサートですね。従って新発見はありませんが、ラジオ放送用にコンパクトに…

フランク・ザッパ『1970s Broadcast Collection』disc 5

5枚目は75年のステージの続きです。ここでは70年代のザッパ・バンドにおけるボーカルについてちょっと考えました。 70年代初頭のバンドに元タートルズの二人、マーク・ヴォルマンとハワード・ケイラン、すなわちフロ&エディを招いたことで、ザッパのバンド…

ビーチ・ボーイズ『Keepin' The Summer Alive』

先日のオーディナリー・ミュージックで江口寿史さんが選曲していたビーチ・ボーイズのもう1曲は本作収録の「Goin' On」でした。このアルバムから選曲すること自体が渋いですが、中でもこの曲を選ぶというのは流石だと思います。この曲だけ切れ味が違う。 80…

フランク・ザッパ『1970s Broadcast Collection』disc 4

4枚目と5枚目は75年11月のライブです。この時期のメンバーはアルバムでいえば『ズート・アリュアーズ』、76年に来日公演を行った際のメンバーでもあり、比較的コンパクト。しかしながらドラムは代わったばかりのテリー・ボジオだし、ベースは初期メンバーの…

フランク・ザッパ『1970s Broadcast Collection』disc 3

3枚目はザッパ本人が編集したと思しき73年のライブ音源のトラック集です。前のディスクから2年経って、ステージからの転落事故などもあり、療養後にジャズ・ロックをいくつか作品化してからオーディションで集めた最強メンバーを伴って行ったツアーで、ここ…