デューク・ピアソン『Hush !』

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今日は久々に出社予定です。果たして世の中はどのくらい変わっているか?目に見えない恐怖、というよりも社会の変化の方が気になりますね。

 

さて、こちらは62年の録音作品。いつも通り、ハーモニカミッドナイトで紹介された1枚となります。トランペットの2トップ構成という珍しい編成のグループによる録音です。

 

60年代に入ると音の質感が比較的マイルドになって、全体的に洗練された感じに聴こえてくるのはどのアーティストでも一緒なように思います。ロック、ポップスだと60年代というのは勃興期にあたりますが、ジャズからすると既に成熟の極みに入って次のジャンルに席を譲るフェーズに入っている。そういったことが音像ひとつとっても理解できるかのようです。

 

この作品でもドラムの音などはとてもマイルドに響きますし、ステレオで左右に楽器の音が振り分けられる構成などもあってとてもきちんとして聴こえてきます。それをよしとするかどうか。単に印象論としてソリッドな音から落ち着いた音へ、という感じに響いてくるので、単純に時代の移り変わりと捉えれば良いように思います。

 

2曲目の「Child's Play」なんかで左右のトランペットがそれぞれソロをとって、終わった後にピアノのソロが真ん中からスッと立ち上がってくる立体感なんかはハッとさせられますね。