68年録音作品。録音メンバーは下記の通りです。
ハービー・ハンコック(p)
ロン・カーター(b)
ミッキー・ローカー(ds)
ピーター・フィリップス(horns)
表題曲がとても聴きやすかったので手に取りましたが、理由は構成にありました。基本的にはピアノ・トリオで、管楽器はテーマを演奏するのみ。ソロパートがあるのはハービー・ハンコックだけ、という構成にした作品とのことで、これが聴きやすさに繋がっているような気がします。
ハービー・ハンコックは自分のようなポップス・リスナーからすると80年代の『ロック・イット』のイメージが強いんですが、実は活動初期にはこうしたラウンジっぽい演奏が主体だった。マイルスの影響を受けて電子音主体のファンク作品も作ったりはしていますが、本質は革新性と変化を恐れないところにあって、音楽形態はその時その時で変わっている。その最初期はこうしたフワッとした音像だった。この浮遊感がとてもいいと思います。演奏が美しい。