55年録音作品。先日聴いたソニー・ロリンズとジョン・コルトレーンは二人ともテナー・サックス奏者でのセッションでしたが、こちらはアルト・サックスとテナー・サックス奏者による共演です。
さぞかし賑やかなのかと思いきや、聴いた印象はとても静かなものでした。音数が少ないように感じます。何故なんだろう、と考えながら聴いていましたが、原因は２つほどあると思います。
一つはピアノが参加しない曲があること。どうしても聴いている作品はピアノが中心になっているので、不意にこうしたピアノの音がない曲を聴くと、なんとなく静かに聴こえてしまいます。でも中盤以降はピアノの音も入ってくるので、それだけが理由ではない。
恐らくギターの音にヒントがありそうです。ギターものはこれまで余り聴けずにいるんですが、全編に渡って聴こえるここでのギターの音はとても柔らかくて静かで、この音が全体をまろやかに聴こえるようにしていると思います。音楽が寄り添う感じになるという。
サックス二人の共演もテーマをユニゾンしたり、互いのソロが同時に鳴っていてもアンサンブルのように聴こえたりと、決して煩くならない構成になっていて、落ち着いて聴ける作品になっています。
