3枚目は70年8月のサンタモニカでの公演を収録したものですが、タイトルに「Hybrid Concert」とあるのでどういう意味かな、と考えていました。どうもマスターテープの一部に編集による欠損があって、その部分を9月の公演の音源で補ったようですね。
基本的に1970年の音源としては結構音質が良くて、古い音源ながら安心して聴いていられたんですが、途中にやはり音質が変わる瞬間があって、この辺りを外科手術したんだな、という感じです。
オリジナルの録音音源の欠損部分をファンの録音テープで補うといった話はムーンライダーズのライブ音源でもありましたのでよく行われるのかもしれませんが、きっと大変だろうなと思います。聴いている側からするとあまり違和感を感じないので、裏返せば編集する人が大変、ということ。
しかし結成後2ヶ月くらいでここまで演奏がタイトになるとは。沢山リハーサルしてるんでしょうが、それにしたって驚異的です。今回は1970年に焦点を当てているので、演奏楽曲も第1期マザーズのものが多いですが、それが逆に演劇性を過剰にせずに、演奏のタイトさを浮き彫りにする形になっていると思います。マニアックな企画ですが、ひとつの転機を記録したものとして十分価値はあるものと思います。